ランボルギーニの名車ミウラやカウンタックの歴史がサラリと読める、クラシックカーイベント探訪記
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:(c)2018 Automobili Lamborghini S.p.A. 、Takumi Yoshida
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:(c)2018 Automobili Lamborghini S.p.A. 、Takumi Yoshida
これは今回の展示車のなかでもちょっと異質なクルマだ。もともとは1958年当時、カレラエンジンを搭載したポルシェ356Aスピードスターの標準ボディの代わりに架装するためのレース用アルミボディとして、フランスのドライバーがザガートに発注し、それに沿ってデザインされたものだった。このザガートスピードスターは1台だけ製作され、レースで活躍したが、59年にクラッシュして大破、二度と姿を現すことはなかった。
そのボディが近年ザガートでリプロダクトされ、一説には9台のザガートスピードスターが製作されたという。写真のクルマは日本のオーナーが手に入れたそのなかの1台で、エンジンは1600スーパー用のOHV 75㎰ユニットを搭載している。一見すると550スパイダーとも共通するイメージがあるが、最も大きな違いはエンジンの搭載位置で、550がミドエンジンであるのに対して、356のシャシーにボディを架装するザガートスピードスターは、普通の356と同じくリアエンジンを採用している。同様の理由から、ボディサイズも550スパイダーより明らかに大きく見える。とはいえ、スチールボディの356よりボディは遥かに軽量だから、ドライビングが猛烈愉しいとはオーナー氏の弁である。
※正式表記は:1958 Porsche 356A/1600 Speedster Zagato
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