プジョー207にワゴン追加 SWの使い勝手・走りは?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
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207SWには個性の異なる2種類のモデルが用意されている。ひとつは1.6リッター直4、120psの自然吸気エンジンを積む『1.6』。もうひとつが、同じ排気量ながら最高出力を175psまで引き上げたターボエンジンを積む『GTi』だ。トランスミッションは1.6が4速AT、GTiが5速MTとなる。
今回はGTiの試乗車は用意されず、1.6のみの試乗となった。この自然吸気エンジンはとくにスポーツ指向型ではないが、低回転域から実用的なトルクを引き出しつつ、トップエンドまできれいに回る。人によっては低速トルクが細いと感じるかもしれないが、同じエンジンを積むMINIのたくましい走りっぷりを考えると、そう感じさせるのは「AL4」と呼ばれるフランス製4速ATによる影響が大きいはずだ。このAT、ある程度スピードが乗ってくると切れ味の鋭い変速とタイトなトルコンの組み合わせがなかなかイイ味を出してくれるのだが、タウンスピードではシフトアップのためらいやモタつきを感じさせることがある。このAL4、登場から10年以上が経つベテランで、初期型と比べると変速マップはかなり日本の交通事情にあってきたが、MINIが6速ATを搭載していることを考えれば、プジョーもそろそろ新型ATの投入を急ぐべきだろう。
フットワークはまさにプジョー流。街中からワインディングロードまで、あらゆるシーンで軽快な身のこなしと抜群に正確なハンドリングを味わわせてくれる。例によって高速安定性も優秀で、高い安心感を保ったまま、流れの速いハイウェイのペースを常に保っていられる。毎度書くことだが、国産コンパクトと欧州コンパクトとの最大の違いがこの高速安定性だ。当然ながら、長距離を走ったときの疲労感は最小限。207SWなら、何のためらいもなく300キロのドライブに行く気になる。
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