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隠れたヒット作!? 生産終了後も人気が続くクルマ5選

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隠れたヒット作!? 生産終了後も人気が続くクルマ5選

■生産終了後に評価されるクルマもある

 流行に変化があるようにクルマの評価についても、時間の経過とともにユーザーの好みや価値観が変わることもしばしばあるようです。

新車は人気が無いけど中古で人気!? おすすめクルマ5選

 新車で販売されていた時には絶大な人気車とはいい難かったクルマが、時を経て密かな人気となることもあれば、長期間にわたって普遍的な人気を得てしまうクルマもあります。

 そこで、発売時よりも中古車市場で人気があるといわれる、隠れたヒット作なクルマ5台をピックアップして紹介します。

●日産「フィガロ」

 いわゆるバブル期に、日産は初代「マーチ」をベースとして、遊び心を持ったレトロ調なデザインの内外装とした、複数の「パイクカー」を限定販売しました。

 第1弾となった「Be-1」は愛嬌のあるフロントマスクに丸みを帯びたボディライン、開放感あふれるキャンバストップ(標準ルーフもあり)で人気となり、限定1万台の販売に対して遥かに上回る受注が殺到。中古車販売価格が新車価格を上回る「プレミア」といわれる状態を、広く世間一般に知らしめました。

 第2弾の「パオ」は「サファリの冒険気分」をコンセプトとした外観で、特徴的な上下開きのバックドアや開閉可能な三角窓など、1960年代のフランス車を思わせるようなクルマでした。

 パオはBe-1の販売方法と異なり、3ヶ月間予約を受けた後に、全数を生産・納車するという手法を採用。その結果、総生産台数は3万台あまりにもなりました。

 そして第3弾となる1991年に登場した「フィガロ」も、Be-1やパオと同様にマーチをベースにしながらも手動で開閉するルーフを持ったコンバーチブルクーペで、重量増に対応するために「マーチターボ」の1リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。

 クラシカルな外観は一見2シーターのようですが、狭いながらもリアシートを備える4名乗車で、内装もクラシカルな書体のタコメーターや、パネルに設置されたトグルスイッチ、CDプレイヤーを備えながら古いクルマの5ボタンラジオのようなデザインの純正オーディオなど、こだわった演出がされています。

 フィガロは前出の2台と比べ話題性は落ち着いた感があり、パオよりも少ない2万台の台数限定で販売され、生産終了後はとくにプレミア価格がつくこともなく取引されていました。

 ところが、いまから20年ほど前からフィガロの人気がイギリスで高まります。失われた英国車の雰囲気があるからということと、右ハンドルのみということもあり、日本から大量に中古車が輸出されました。

 イギリスでは現在も人気を維持しており、オーナーズクラブも設立されているほどです。国内では一部の旧車専門店が高い販売価格を掲示しているのも見かけますが、実際には「スカイラインGT-R」のような価格高騰は始まっていませんので、海外に輸出されてしまう前に一度乗ってみても良いクルマかもしれません。

●ホンダ「クロスロード」

 1993年にホンダは、提携関係にあったローバーグループから中型SUV「ディスカバリー」のOEM供給を受け、初代「クロスロード」として販売を開始しました。

 ローバーの3.9リッターV型8気筒エンジンを搭載する本格的な4WD車で、営業的に成功したとはいえませんが、いすゞからOEM供給されていた「ジャズ」や「ホライゾン」とともにRV車のラインナップを形成しました。

 2007年に登場した2代目クロスロードは、2代目「ストリーム」をベースにしたクロスオーバーSUVで、全長4285mmのコンパクトカーなボディサイズでありながら、全幅を1755mmとワイドにして、高い居住性を持った3列シート7人乗りのクルマでした。

 搭載するエンジンはストリームと同じ最高出力140馬力の1.8リッター直列4気筒i-VTECと、150馬力の2リッターが設定され、駆動方式はFFと4WDを選ぶことが可能でした。

 当時としてはややワイドなボディでしたが、着座位置からフロントノーズ先端の見切りなども良いために、市街地走行でも車幅を意識することもなく日常の脚に使うにも適しているといえます。

 むしろ現在のSUVに比べると小型な部類でちょうどよいサイズと、ユニークなデザインで、生産終了から10年近くになったいまも中古車市場で密かな人気車となっています。

 クロスロードは3年半ほどしか作られておらず、流通台数は多くありませんが手に入れやすい価格のため、いまが狙い目かもしれません。

●ダイハツ「ミラジーノ」

 1997年にダイハツは、丸型ヘッドランプとテールランプとバンパー下部、ドアミラー、ホイールキャップなどにメッキを施し、ブラウンのインテリアを与えたクラシカルなイメージの「ミラ・クラシック」を発売しました。

 しかし、標準車の4代目ミラに、取って付けたようなヘッドライトやテールランプというデザインは、あまり好評ではありませんでした。

 そこで、ダイハツは1999年に5代目ミラの追加グレードとして「ミラ ジーノ」を発売。かつての名車「コンパーノ」をモチーフにしたといわれる丸型ヘッドライトのフロントマスクや、ミラ・クラシックと同様にメッキ処理されたバンパーなどのクラシカルな演出を施しました。

 イギリスのアルミホイールブランド「ミニライト」とタイアップし、モデル途中で追加した「ミニライトスペシャル」や、ブリティッシュグリーンマイカのボディカラーはBMC「ミニ」に憧れる若い女性たちからも人気となりました。

 2004年には、ミラとボディを共用しないオリジナルデザインとなった2代目が登場します。シャシは6代目ミラと共通でしたが、フロントウインドウの角度を立ててリアピラーの傾斜をなだらかにしたことで、よりクラシカルな雰囲気に。

 同時期に登場した「ムーヴラテ」と似た内装も女性ユーザーを意識したものとなっていました。

 その後の、2009年に後継車の「ミラココア」が発売されたことで生産を終了しましたが、可愛すぎないデザインが功を奏したのか、一定の中古車人気を保っています。

■ 絶版車ながらカスタマイズベースとして人気のクルマも

●ホンダ「ライフ」

 ホンダ「NIII 360」の後継車として1971年に登場した初代「ライフ」は、360ccの軽自動車でありながらバランサーシャフトを備え、低振動を実現した新世代の水冷4サイクル2気筒エンジンを搭載。

 快適性を向上させたセダンで好評でしたが、ホンダの軽乗用車市場からの撤退によって1974年に販売を終了しました。

 1985年に初代「トゥデイ」を発売し軽自動車市場に返り咲いたホンダは、2代目トゥデイのコンポーネントを流用して軽トールワゴンに仕立てた2代目ライフを市場に投入しました。

 その後もマイナーチェンジやモデルチェンジを繰り返し、2008年に登場した5代目では運転のしやすさがとくに配慮され、前方/側方/後方のすべてにおいて、車両感覚が掴みやすい視界と見切りの良さを実現。

 また、プラットフォームを一新し、軽自動車枠いっぱいの全長と全幅を持ちながら、4代目よりも高くなった全高と視界の良さで、室内空間は広々と感じられる作りになっていました。

 発売時には上級グレードに軽自動車で初めてバックモニター付オーディオを標準装備し、駐車時にハンドル操作アシストが行なわれる「Hondaスマートパーキングアシスト・システム」も搭載するなど、快適さと安心を高めたクルマでした。

 その後のマイナーチェンジでも安全性や快適性向上のための装備の充実を図りながら、後継車の「N-WGN」の登場後、2014年に生産を終了します。

 使い勝手のよさが評価され、価格も安価なことから絶版軽自動車のなかでも高い中古車人気を維持しています。

●日産「ラシーン」

 日産は1993年の「第30回東京モーターショー」に「サニー」をベースにした4WDのコンパクトクロスオーバーSUVの試作車を出品し、好評を得たことから、翌年「ラシーン」として発売しました。

 全高を抑えた角ばったボディデザインは「和製ミニ・ハマー」とも呼ばれます。

 上下開きのバックドアに、背面スペアタイヤを装備する横開き式キャリア(グレードによる)を装備するなど、本格的なクロスカントリー車のように見えますが、実際はSUVの雰囲気を手軽に楽しむためのもので、悪路走破性は決して高いものではありませんでした。

 デビュー時は1.5リッター直列4気筒DOHCエンジンのみでしたが、1997年のマイナーチェンジでは1.8リッター直列4気筒DOHCエンジンと、日産のフルタイム4WDシステム「ATTESA」を搭載するモデルを追加しました。

 さらに同年に2リッターのスポーツ系エンジン「SR20DE型」を搭載したモデルを追加。1998年にはワイドボディで3ナンバー登録となった「ラシーンフォルザ」も登場しました。

 その特徴的なルックスと、コンパクトクロスオーバーSUVという時代を先取りし過ぎた感のあるクルマでしたが、熱狂的なファンもいて、内外装をドレスアップするラシーン専門店もあるほどです。

 いまでは「フィガロ」と同様に海外での人気が高いため、現在は低価格車が多数見つけられますが、気が付いたら日本国内では稀少車になっているかもしれません。

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