現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 大ヒットしたのに「消えた」クルマ 40選 前編 1970年代、80年代の名車は何台残るのか

ここから本文です

大ヒットしたのに「消えた」クルマ 40選 前編 1970年代、80年代の名車は何台残るのか

掲載 6
大ヒットしたのに「消えた」クルマ 40選 前編 1970年代、80年代の名車は何台残るのか

スーパーカーより希少 かつての名車の現存数は

英国のDVLA(運転免許庁)の統計によると、現在英国で走行可能な状態にあるマクラーレン720Sは約600台だ。ランボルギーニ・ウルスは800台。フェラーリF430の派生は1000台近くある。つまり、英国では1970年代、80年代、90年代の大衆車よりも、これらの「エキゾチックカー(スーパーカー)」を目にする機会が多いのだ。

【画像】みんなに愛された英国の大衆車【オースチン・アレグロ、マキシ、メトロを写真でじっくり見る】 全75枚

そこで今回は、数多く販売された人気車種でありながら、今やほとんど見かけることのなくなった希少なクルマを取り上げたい。クラシックカーが文化として根付き、古いクルマを大事に扱うイメージのある英国でも、かつての名車は確実に数を減らしつつある。

現存するクラシックカーやレトロカーに関するDVLAの統計データは、時として信頼性に欠けることがある。本稿で記載する現存数は、あくまで英国で課税対象となる車両を数えた値であるため、大まかな目安として見てほしい。英国では長期間使用しない車両をSORNとして申請できるので、関連する場合はそちらも参照する。

オースチン・アレグロ:269台が現存(英国)

オースチン・アレグロのような悪名高いクルマでさえ、生存率は低い。この数字には、威厳のあるグリルを備えた豪華なバンデンプラ版も含まれている。しかし、SORNに登録されているアレグロも多数あるので、完全に消えてしまうわけではないだろう。

オースチン・マキシ:119台

オースチン・マキシは、英国自動車産業の失敗の象徴のようなクルマである。後輪駆動の古臭いセダンが主流だった時代に、現代的で広々とした前輪駆動のハッチバックとして登場し、世界を席巻するはずだった。しかし、ブリティッシュ・レイランドの製造品質がそれを阻んだ。

オースチン/MGメトロ:395台

オースチン・メトロは、「世界に誇れる英国車」という約束のもと、そのPRに応えるに十分な性能を備えていた。見事な広告キャンペーンにより、英国民は愛国心の波に押し流され、ダイアナ元妃との関係も害を与えることはなかった。1991年に改良型のローバー・メトロが登場するまで、約150万台が生産された。

オースチン/MG/ローバー・モンテゴ:111台

モンテゴ単体では、良いクルマだった。しかし、競合他社がもっと優れたライバル車を製造していたため、「史上最も速いMG」と謳われたモンテゴ・ターボでさえ、末期の衰退を防ぐことはできなかった。1994年に生産終了している。

クライスラー/ヒルマン/タルボ・アベンジャー:335台

1970年に発売されたヒルマン・アベンジャーは、クライスラーの管理下で開発された最初のルーツ・グループ車であった。実際、1976年のフェイスリフトでクライスラー・アベンジャーとなり、その後クライスラー・ヨーロッパの崩壊に伴い、タルボとして姿を消した。フォード・エスコートやコルチナに代わる、希少で興味深い存在である。

シトロエンAX:354台

シトロエンAXの生産台数は、1986年から1999年にかけて250万台に達する。積極的な販売戦術と鋭い価格設定により、一時期は英国の道路でよく見かけられたが、現在では目にすることができれば幸運と言えるレベルだろう。サクソも同じように衰退の一途をたどっているのではないだろうか。

シトロエンBX:251台

1982年から1994年まで合計230万台が生産された、シトロエンのもう1つの大ヒット商品。シトロエンは広告でマルチェロ・ガンディーニ氏に言及し、「ランボルギーニのデザイナーはどうやってランボルギーニにたどり着くのか」と問いかけた。さらに重要なのは、質素なディーゼル車の投入により、シトロエンが収益性の高いビジネスユースに参入したことである。

シトロエンGS/GSA:84台

1971年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したシトロエンGSは、1970年代で最も技術的に進歩したクルマの1つである。モーリス・マリーナのような平凡なクルマに代わる注目の存在であり、ハッチバックのGSAの登場により、その有用性はさらに高まった。生産台数は190万台。

ダットサン/日産ブルーバード:244台

ブルーバードの強みは、そのオールラウンドな能力にあった。目立つ特徴はないものの、信頼性、快適性、燃費の良さが評価され、英国内のビジネスユーザーやタクシー運転手にとって最適なクルマとなっていた。また、日産のタイン・アンド・ウェア州サンダーランド工場で製造された最初のモデルでもある。

ダットサン/日産100A/チェリー:51台

ダットサン・チェリー(英国では100A)は、日本から上陸した初期のスーパーミニの1つである。この時代の日本車は機械的な信頼性が売りで、故障する欧州車を尻目に、朝にはちゃんとエンジンがかかる。それでも現在はほとんど残っていない。

フィアット126:233台

今回紹介している他のクルマたちと同様に、フィアット126も1990年代に衰退期を迎え、価格は底をつき、錆が多くの車両を腐らせていった。1970年代には、最もベーシックなミニよりも安価だったこともあり、人気を博した。ヌオーヴァ500ほど象徴的なモデルではないが、欧州ではカルト的な人気を博している。

フィアット・ウーノ:172台

プジョー205ほど美しくはないが、フィアット・ウーノが現代のスーパーミニを形成する上で果たした役割は大きい。1984年には欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、205を2位に追いやった。24台が現存するウーノ・ターボはマニア垂涎のモデルだが、ウーノ自体を見る機会があれば、それはそれでラッキーだと思う。

フォード・コルチナ:4673台

印象に薄いかもしれないが、フォード・コルチナは英国で約260万台も販売されたのである。コルチナは長年にわたり、ファミリーカーや社用車として親しまれ、しばしば模倣の対象となったが、滅多に負けることはなかった。1982年に最後の1台が製造されたが、1987年まで売れ残ったものもある。そのうちの288台は、ロータス・コルチナという貴重な派生モデルである。

フォード・オリオン:320台

リアワイパーを備えたセダンがお好きなら、フォード・オリオンMk3がおすすめだ。ハッチバックやステーションワゴンに比べると使い勝手は劣るが、リアワイパーは雨の中でバックするときに便利だ。……AUTOCARの記事でこんなことを紹介するとは思わなかったが。

フォード・プローブ:275台

フォードは1997年に生産を終了するまでに、英国で1万5000台のプローブを販売したが、年間2万台の目標には遠く及ばず、残念な結果に終わっている。マツダMX-6(日本名:カペラ)とプラットフォームを共有し、米国で生産されたプローブは、カプリの精神的後継車となることはできなかったのだ。見た目も走りも良かっただけに残念だ。

フォード・シエラ/サファイア:2465台

1982年に登場したフォード・シエラは、今となっては当たり前の存在だが、当時は別世界から現れたような存在だった。コルチナのオーナーを説得し、「ゼリー型」と呼ばれる斬新なファミリーカーに乗り換えさせるという難題を課したが、当初は苦戦したものの、すぐに軌道に乗った。パフォーマンス仕様やサーキットでの活躍も、その成功を支えるものとなった。

FSO:32台

FSO(Fabryka Samochodow Osobowych:ポーランド語で「乗用車工場」の意)は、1948年に設立されたポーランドの自動車および部品メーカーである。1965年にポルスキ・フィアットブランドで自動車製造を開始し、1978年に125pベース、ジウジアーロデザインのポロネーズが登場した。

ヒョンデ・ポニー:10台

ポニーはヒョンデ(現代自動車)にとって初めての量産・輸出車であり、英国で販売した最初のモデルであった。オースチン・モーリス出身のジョージ・ターンブル氏を開発に、ジョルジェット・ジウジアーロ氏をデザインに起用し、三菱とフォードの部品を使用してポニーを作り上げた。シンプルだがうまくできていて、英国での韓国車販売の始まりとなった。

キア・プライド:35台

ヒョンデの英国初導入から、兄弟ブランドであるキアに目を向ける。プライドはマツダ121をベースにしており、当時は7年保証などない時代であったが、フォード・フィエスタやオペル/ヴォグゾール・コルサを下回る価格で、キアの足場を固めるのに貢献した。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
レスポンス
サプライズは失敗したけど……セナに憧れたハミルトン、マクラーレン・ホンダMP4/5Bドライブに感激「これでレースに出れたらいいな笑」
サプライズは失敗したけど……セナに憧れたハミルトン、マクラーレン・ホンダMP4/5Bドライブに感激「これでレースに出れたらいいな笑」
motorsport.com 日本版
なんと電動過給のV型3気筒エンジン!! ホンダが全く新しい内燃機関搭載コンセプトモデルを発表!
なんと電動過給のV型3気筒エンジン!! ホンダが全く新しい内燃機関搭載コンセプトモデルを発表!
WEBヤングマシン
トヨタが劇的勝利でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得!ドライバーズタイトルは6号車ポルシェに【WEC最終戦バーレーン8時間】
トヨタが劇的勝利でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得!ドライバーズタイトルは6号車ポルシェに【WEC最終戦バーレーン8時間】
Webモーターマガジン
スペーシア ギア vs N-BOX JOY!最新軽スーパーハイトワゴンのドッグフレンドリーポイント比較【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
スペーシア ギア vs N-BOX JOY!最新軽スーパーハイトワゴンのドッグフレンドリーポイント比較【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
レスポンス
ホンダ新型「ステップワゴン」マイナーチェンジは間近!? 「エアロ」モデルの“押し出し”感もアップ? デビュー3年目で「どう変わる」のか
ホンダ新型「ステップワゴン」マイナーチェンジは間近!? 「エアロ」モデルの“押し出し”感もアップ? デビュー3年目で「どう変わる」のか
くるまのニュース
「ランボルギーニは皆が必要としてないが皆に欲しいと思わせるクルマ」…デザイン・ディレクターが語るファイティングブルのDNAとは
「ランボルギーニは皆が必要としてないが皆に欲しいと思わせるクルマ」…デザイン・ディレクターが語るファイティングブルのDNAとは
Auto Messe Web
角田裕毅、F1サンパウロGPで予選3番手:これまで予選トップ5を記録した日本人ドライバーは5人
角田裕毅、F1サンパウロGPで予選3番手:これまで予選トップ5を記録した日本人ドライバーは5人
motorsport.com 日本版
世界初のPHEVスーパーSUV「ランボルギーニ・ウルスSE」、オセアニアで初公開
世界初のPHEVスーパーSUV「ランボルギーニ・ウルスSE」、オセアニアで初公開
LE VOLANT CARSMEET WEB
スバル『クロストレック』ストロングハイブリッドを雪上で体感せよ…ゲレンデタクシー2025を開催
スバル『クロストレック』ストロングハイブリッドを雪上で体感せよ…ゲレンデタクシー2025を開催
レスポンス
銀ピカボディの中にはキャンパーの夢が詰まっている! 移動秘密基地「エアストリーム」とは
銀ピカボディの中にはキャンパーの夢が詰まっている! 移動秘密基地「エアストリーム」とは
WEB CARTOP
アートと意外性が融合したデザイン空間! 「ポルシェ マカン」にインスパイアされた「ザ・フラット・バイ・マカン」オープン
アートと意外性が融合したデザイン空間! 「ポルシェ マカン」にインスパイアされた「ザ・フラット・バイ・マカン」オープン
LE VOLANT CARSMEET WEB
無敵のGT-Rを打ち破って表彰台を独占! 安くてバカッ速なマツダ・サバンナは伝説の名車だった
無敵のGT-Rを打ち破って表彰台を独占! 安くてバカッ速なマツダ・サバンナは伝説の名車だった
WEB CARTOP
山本尚貴、今シーズン限りでスーパーフォーミュラから”退く”決断を下す「持てる力を全て出し切ってSFを降りようと思う」
山本尚貴、今シーズン限りでスーパーフォーミュラから”退く”決断を下す「持てる力を全て出し切ってSFを降りようと思う」
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「フリード」の「キャンピングカー仕様」に反響多数! “断熱”&“電装”完備の斬新「車中泊仕様」! ロッキー2「マウンテンビレッジ」どんな人が買ってる!?
ホンダ新型「フリード」の「キャンピングカー仕様」に反響多数! “断熱”&“電装”完備の斬新「車中泊仕様」! ロッキー2「マウンテンビレッジ」どんな人が買ってる!?
くるまのニュース
ピックアップトラックなのにまるで「地を這う」低さ! 日産『フロンティア TARMAC』初公開…SEMAショー2024
ピックアップトラックなのにまるで「地を這う」低さ! 日産『フロンティア TARMAC』初公開…SEMAショー2024
レスポンス
新型「アウトランダーPHEV」発売記念イベント開催。CM出演の江口洋介氏とオーナーで柔道日本代表の角田夏実選手が登壇
新型「アウトランダーPHEV」発売記念イベント開催。CM出演の江口洋介氏とオーナーで柔道日本代表の角田夏実選手が登壇
carview!
かろうじてタイトルの可能性が残ったホンダ陣営とSTANLEY「正直、こういう結果は予想していた」牧野任祐
かろうじてタイトルの可能性が残ったホンダ陣営とSTANLEY「正直、こういう結果は予想していた」牧野任祐
AUTOSPORT web

みんなのコメント

6件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村