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マクラーレン セナには速度感がリセットされそうな快感がある

16周のアタックでも制動力が悪化しないブレーキも秀逸

更にダメ押しで、ブレーキが秀逸。この第1コーナーをはじめハードなブレーキングのポイントが何カ所もあるにも関わらず、セナのブレーキは合計16周のアタックでもまったく制動力を悪化させることなく、脳内の血が偏りそうなほどの減速Gを発生し続けた。制動時にダウンフォースを高めるアクティブエアロの効果も大きい。とにかく、すごい体験だった。マシンを降りたあとはしばらく放心状態。しかし顔はきっとニヤついていたはずだ。

正直、乗る前にこのセナ、アルティメットシリーズとしては物足りない内容に思えていた。ハイブリッドだったP1と較べると、少なくともパワートレインはむしろローテクに思えたからである。

しかし、この走りを体感したら、もはや納得するしかない。敢えてハイブリッドとしなかったのは、サーキットでの究極の走りの歓びだけをひたすらに追い求めたからだろう。そして実際に、ここに描かれたドライビングプレジャーは、普遍のものだと感じられた。

「Driven to Perfection」

晩年のアイルトン・セナがシンボルとして使っていたダブルSのマークの下に書き添えられていた言葉である。マクラーレン セナは、確かにその名に相応しい1台に仕上がっていた。

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