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パサートCCに海外試乗! 質実剛健に“艶”までも

名前はCCだが、屋根は開かない

VWのセダンというと、ジェッタやパサートといった面々がまず思い浮かぶ。日本導入時には「セダン・ストラテジー」を掲げて、VWジャパンもチカラを入れて販売に望んだ。もちろん、それはそれである程度の成果を上げたが、BMWやメルセデスと比べてVWセダンのイメージが薄いのは確か。日本ではトップエンドのフェートン(アウディA8の兄弟車)が未導入なだけに、ラインアップの充実は課題とも目される。そんなことを考えると、今回投入されるパサートCCという存在は、VWのセダンワールドを築くいいチャンスかもしれない。トレンドを加味したスタイリッシュな“カタチ”は、これまでのVWセダンより明らかにインパクトが大きい。

そのパサートCCは今年のデトロイトショーで発表された。4ドアクーペというキーワードで、VWらしからぬ(?)斬新さを演出する。さて、そのCCというネーミングだが、思わず「屋根開き?」と言いたくなるが、実はそうではない。VWが言うところのCCは、フレンチコンパクトの“クーペ&カブリオレ”ではなく、“コンフォータブル・クーペ”を表す。要するに、快適な4ドアセダンの要素を持ちながらクーペのようなスタイリッシュさを実現しました、ということだ。

そして出来上がったパサートCCのボディは堂々としたもの。全長はおよそ4.8mとなり、パサートセダンよりもひとクラス上の存在感を醸し出す。ホイールベースを伸ばす一方で、前後のオーバーハングを切り詰めるといった手法を用いているあたりは、ユーティリティ性を高めると同時に、クルマの中心から遠いところを重くしないという目論み。さらにリアをハイデッキにし、そこにリップを付けることでダウンフォースを稼ぐなんて芸当も見せる。つまり、艶っぽい見た目以上に、走りも真剣に練られている。これもまた、カッコだけじゃすまさないVWの真面目さなのだろう。

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