次期3シリーズ、登場 発表会場よりレポート
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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初代の3シリーズ(E21)から現役での付き合いがあるが、およそ1000人近い従業員の参加を伴う今回ほどの規模を持った新車発表会はなかった。また後日TVでもこの模様がニュース番組で報道されていたが、アウディA4でも、メルセデスベンツCクラスでも、さらに現在同じセグメントでベストセラーとなっているVWパサートの新車発表会でさえも起こらなかった種類のイベントであった。
おそらくその理由はBMWが今や販売台数において他をリードするナンバーワン・プレミアム・ブランドとしての威信を掛けて世界に向けてその偉容を発信したかったのと同時に、3シリーズがBMW総生産台数の30パーセントを超える核となる主力モデルであったことなどが挙げられるだろう。さらに同社が今後1200人の雇用確保を宣言した事もポジティブに受け入れられたに違いない。
6世代目の3シリーズ(社内開発コードF30)の最初の印象は基本的なシルエットとプロポーションは変わらないがワイドになって、どっしりと路面を捕らえているというものだった。
その一つはヘッドライト・ユニットの目頭にあたる部分がキドニーグリルにまで切れ込み、グリルと一体になってグリル開口部が繋がり、横に広がったように見えることが挙げられる。さらにボディ幅は変わらないがフロントのトレッドが37mm広がりタイアが外側に押し出された結果かもしれない。
この顔つきのお陰で新しい3シリーズは他のモデルとの区別が明快で、同じバイエルンのライバルであるアウディのように各モデルを見間違うような心配は無い。
チーフデザイナーのエイドリアン・フォン・ホーイドンクは「ファミリーである以上顔つきは似ているのは当然だが、親子、あるいは兄弟でも差があるのも当然で、我々はこの方向へ進んで行くつもりである。」と語った。また「このデザインが他のシリーズに広がることはないのか?」というレポーターの質問には「我々は常に様々な可能性を求めており、イエスともノーとも言えない。」と政治的な答えが返ってきた。
その他ボディ周りはキープコンセプトで、リアは5シリーズに近いワイドな感じに仕上がっている。ちなみに空力的にも洗練されスタンダード・バージョンではCd値は0.26に抑えられている。
新しい3シリーズにはベース・モデルの他に、先に発表された1シリーズのような装備差によるラグジュアリー、モダン、そしてスポーツと3種のライン(バリエーション)が用意されている。
ラグジュアリー:文字通り豪華仕様でキドニー・グリル内の11本のグリルを含めグリーンハウス・トリムはBピラーを除いて全てクローム仕上げ、ドアミラーはボディ色となる。もっとも特徴的なのが左右のエアインテーク内に入った2本のクローム・ラインで他の2つのラインもこの違いで明らかになる。またインテリアもクロームのトリム・フィニッシャーが採用されている。ホイールはスポークタイプ。
モダン:コンテンポラリーでクラシックなこの仕様はラグジュアリーのクロームのフィニシャーに変わってグリルもウィンドー周りも半光沢のアルミでトリムされている。また左右のエアインテークにある安全ピンのようなフィニッシャーが特徴となる。ホイールはタービン・デザイン。
スポーツ:キドニーグリル内のバー、ドアミラー、そしてグリーンハウスを取り囲むフレームがブラック塗装され、バンパー左右のエアインテークにあるクローム・バーは一本である。さらにホイールもスポーティなダブル・スポークタイプ。インテリアはスポーツ・ステアリングホイールとなり、赤い縁取りのトリムで仕上がっている。
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