鬼の値下げで王者「カローラ」抜く! イケイケ「テスラ」の最新事情と日本導入期待のモデル
掲載 carview! 文:編集部/写真:トヨタ自動車 76
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クルマの電動化が急激に進む中、メルセデスやトヨタなど既存メーカーを出し抜いて急成長を続ける米国バッテリー電気自動車(BEV)専業メーカーの「テスラ」。先日マイナーチェンジが発表されたミドルサイズセダンの「モデル3」を筆頭に、日本の路上でもその姿を見ない日はないほどだ。
また、ここにきてテスラはさらなるシェアの拡大を目指し、米中市場などで、大幅な値下げ攻勢を仕掛けており、こうした過激な販売施策も注目を集めている。そこで今回は、モデル3の改良ポイントに触れつつ、最近のテスラの動向について確認してみたい。
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まず、改良型モデル3は、外観上はヘッドライトが鋭くなっただけのように見えるが、実はインテリアや操作系が大幅にアップデートされている。例えば、室内には新たに後席専用の8インチタッチスクリーンが装備され、空調の操作や映像コンテンツの視聴が可能となったほか、フロントシートにはベンチレーション機能が追加され快適性が大幅に向上している。
ほかにも、ステアリングコラムからウインカーなどのレバーが一掃され、すべてスポーク上のスイッチで操作するシステムに変更された。このような先進機能を大盤振る舞いしつつ、改良型モデル3の価格は従来から25~35万円程アップにとどまる561.3万円からとされ、補助金も考えると自治体によっては実質400万円台前半で手に入ってしまうのだ。
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<テスラ 新型モデル3 >
もちろん、既存メーカーが作るBEVもそれ単体では先進的なのだが、中価格帯のモデルに後席専用モニターを与えたり、ましてやウインカースイッチをなくしたりというテスラの突き抜けっぷりを目の当たりにすると、やはり旧来の延長線上にとどまっている感は否めない。それほどに、テスラと他ブランドではクルマ作りの出発点が違っているといえるだろう。
こうした破壊的とも言える革新性に加え、最近テスラが武器にしているのが、強い財務基盤に物を言わせた圧倒的な価格戦略。何と昨年末からだけでも米中などで最大3割程度も車両価格を引き下げているのだ。
通常、新車価格を下げると既存オーナーが愛車を売る際の売却額も下がってしまい顧客にそっぽを向かれる可能性があるため、メーカーは現行モデルの単純な値下げには慎重になるもの。ただ、テスラはそんなことはまったく気にも留めず、利益を削ってシェア拡大に邁進している。
その甲斐あってか、今年第1四半期の世界販売台数ランキングでは、26万7200台を売った「モデルY」が堂々の1位を獲得した。
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<テスラ モデルY>
これまで絶対王者だった2位のトヨタ「カローラ」を1万台強上回ったわけだが、車両価格はカローラの200万円台に対し、モデルYは値下げされているとは言え600万円台がボリュームゾーン。1台当たりの利益はモデルYの方が断然多いと考えられるから、テスラが向こう傷をおそれずに販売拡大を狙うのも当然と言えば当然だ。
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今後もテスラに関しては、昨年末に納車を開始した電動大型トラックの「セミ」が続々と本格稼働するほか、SFの世界から抜け出してきたようなステンレス製電動ピックアップトラック「サイバートラック」も本年後半から納車開始が期待される。
<テスラ サイバートラック>
特に後者は意外にリーズナブルな価格で日本市場に導入される可能性もあるから、今後もテスラの動向には注目していきたい。
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