X2 試乗 BMWの新しい“偶数モデル”の提案をどう理解する?
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
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そんなX2 M Sport Xの走りは、BMWの狙い通りとても若々しい。
Mスポーツサスペンションを装着した足回りは一見固めに感じられるが、それは20インチにもなるオプションの「ピレリ・P ZERO」に因るところが大きい。
むしろ足回りは高い車高を支えながらも着実にストロークをして、路面からの突き上げをうまく吸収しており、トータルとしてはうまく乗り心地が確保できていると言えるだろう。
また試乗車は慣らしを終えたばかりのまっさらな新車であることを考えると、距離を重ねて行くほどにしなやかさも増して行くはず。ある意味この乗り心地を「硬い」と感じるか「平気だ」と思えるかで、気持ちの若さが計れるかもしれない(笑)。ともかくBMWは、どうしても乗り心地が硬くなるランフラットタイヤを、かなり高い水準でコントロールできている。そしていざこれを快活に走らせると、X2の魅力はさらに引き立つ。
ステア応答性は素早いが、ロールを上手に利用して荷重移動するサスペンションの設定はお見事。快適な乗り心地はそのままに、操舵すると少しだけノッポなボディを傾かせ、曲がり込んだコーナーでも狙った通りにラインをトレースしてくれる。そのコーナリングスピードの高さに対してあまりに足回りがスムーズに動くから、もしかしたら「ちょっと曲がり過ぎる!」と感じるドライバーもいるかもしれない。最近はミニも洗練されてこの傾向になってきたが、明らかにその味付けは差別化が図られている。積極的にゲインを高めてドライバーのやる気を鼓舞するタイプではなく、あくまでクールな曲がりっぷりだ。
そしてそこからスポーツモードを選ぶと、電動パワステの反力が少し高まり、エンジンやトランスミッションの追従性がよりシャープになって、走りは安定する。ダンパーが引き締められた感覚はなかったが、操舵と駆動系のリニアリティが上がることで全体的にシッカリ感が増えるから、これならワインディングでも気持ち良く走ることができるはずである。
何より気持ち良いのはそのエンジン。時代の空気感を読んでだろうかターボパワーを声高に主張することはない。けれど、ブーストの掛かりはリニアで先走り感がなく、アクセルを踏めば踏んだだけ力が出てくるから回すのが気持ち良い。4輪駆動ゆえか、ハイグリップタイヤのなせる技か、4つのタイヤがバネ下でバタつかないのも高級感につながっている。
このご時世にアクセルを目一杯踏み込むなんていかがなものか…。そんな風に思う方も多いだろうけれど、普段は280Nmのほどよいトルクで粛々と走れるのだから、ここはこうした運転する楽しみをBMWが残してくれていることに、素直に感謝しておきたい。
唯一残念なのはトランスミッションの制御だった。トルクコンバーターのロックアップが強すぎるのか、シフトアップ時に加速Gの抜けが起きないのはよいのだが、変速したときにピッチングが起きてしまいスムーズさに欠けるのだ。もっともこれはアクセル全開からのシフトアップだから、日常的にはあまり起こらない現象だとは言える。しかし高速道路でのダッシュや、気持ち良く走りたいときのリズムをクズしてしまうという点では、同じ8速ATを搭載するミニJCWの制御に近づけて欲しいと感じた(FF車は7速AT)。
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