エクシーガでサーキット STIチューンの実力は?
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
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そもそも、見た目が他グレードのエクシーガとは異なる。外装で追加変更されたパーツは、ホイールとマフラーそしてフロントのリップスポイラーだけなのだが、見た目の印象は大きく違う。特にフロント周りは、フロントリップスポイラーがボディとは異なる色なので、ワイド感を強調する効果も生み出しているからだろう。ミニバン特有のボテッとした印象が薄れ、ドシッと地面を捕まえている印象を抱かせる。
内装においても、STIのロゴや赤ステッチ加工が施されたシート、時速220kmスケールのスピードメーターを含め、各部にSTIロゴが入る造りにより、ミニバンのコクピットであることを忘れさせるようなワクワク感を抱かせるのが特徴。
だが、これら走らせずに感じられる魅力は、このクルマの魅力における単なる序章にしか過ぎない。真の魅力ともいうべき凄さは、走りにこそあった。言いすぎに聞こえるだろうが、このクルマの乗り味は、ミニバンにおける理想形とも言えるかもしれない。それほどまでに完成度が高い。
不満点など皆無に等しいモノで、先に気になる点を挙げるとすれば、2つだけ。
一つは横滑り防止装置を完全にカットすることができないこと。トラクションコントロールはオフにできるが、クルマの姿勢を安定させるブレーキ制御がオフにできない。サーキットだからこそクルマを振り回して走ろうとすると、度々ブレーキ制御が介入して高揚した気持ちを萎えさせる。ミニバンでコーナーにクルマを横に向けながら入ろうとすること自体が間違っているかもしれない。だが、そのような走りもできる…いや、したくなる気持ち良さを持っているクルマだからこそ、気になってしまったポイントだ。
そして2つ目は、5速ATであること。サーキットを一周する上で、3速だと回転が下がり過ぎるし、2速だと回転が高すぎるという、ギア比が合わないコーナーが出てくる。もしも5速ATではなく6速ATでクロスレシオ化されていれば…もっと気持ち良くコーナーを攻められるし、一般の走行に当てはめればよりスムーズに加速できるはず。
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