エクシーガでサーキット STIチューンの実力は?
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
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これら不満点はあるものの、逆の発想をすれば、スポーツ性において重心が高いというハンデを背負っているミニバンでありながら、サーキット走行においてこの2つしか気になることが無いというのが驚異だ。
何が凄いかって…端的に言えば、カーブで車体が傾く、通称ロールという現象の仕方がとても良い!
そもそもミニバンは、セダンやクーペさらにはワゴンボディに対してスポーツ性が劣りやすい。その大きな要因は、全高の高さがもたらす重心の高さにある。人間でいえば、頭におもりを載せて激しい運動をするようなもので、体勢がぐらつきやすい。だからこそハンドルを切った際にグラッと急激にロールするなど不安感が漂い、さらにはタイヤに掛かる荷重の変化が激しくなるなど、走り辛くなるのは仕方が無いとも言える。
だが、このミニバンにはその不安感が無い。その要因がロールの仕方にあると感じている。一言でロールと言っても、そこには様々な要素がある。ボク自身、ロールと言う専門用語を極力使うのを避けてきたが、このエクシーガのような適正なロールの仕方をするミニバンが登場したのを期に、あえて今回はロールに付いても細かくお伝えしていこう。とは言っても、述べればきりがなく字数にも限りがあるからこそ、まずはロールには3つの要素が大事になると覚えておいてもらいたい。
一つはロールスピード。ハンドルをスムーズに切って曲がる際も、若干強引にクルマを曲げていこうと素早くハンドルを切り込んだ際でも、操作相応のスピードで粘るようにロールして、タイヤへの荷重の掛かり方もイメージ通りの素直さに溢れていることが大事。ダンパーの減衰力特性が優れていないとできないが、このエクシーガはハンドルを切った際にグラッと車体が傾くことなくジワーッと傾くので、安心感が高く気持ち良く走れる源になる。一般的に車体の傾きであるロール量を抑えるのがスポーティなクルマには必要と考えられているが、実はロール量が問題なのではなく、ロールスピードこそ大事だということ。
そして2つ目は…
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