Cベースのモンスター4.0 排気量UPこそブラバス流
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:Kimura Office、ブラバスGmbH
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:Kimura Office、ブラバスGmbH
とはいえ日本におけるブラバスブランドはどちらかというと、ロリンザーチューンにも似た“ワル”のイメージである。考えてみればそれも当然で、ただでさえ高圧的なイメージのメルセデスをさらにパワフルにしているのだ。仕方ない部分もある。
ところがどっこいドイツでブラバスに乗る限り、そのイメージはほとんどない。もちろんカタログデータによれば0-100km/h加速はわずか5.9秒で、トップスピードは時速275キロとかなり過激。だが、タッチは驚くほど上品かつイージー。
だから俺は思ったのだ。これは日本独自の受け取り方かもしれないと。ドイツではチューニングカーは完璧に実用品として存在している。もちろん、見栄えの効くエアロパーツでステイタスを演出する目的もあるが、それ以上に高給取りのビジネスマンが移動時間を短くし、移動過程を快楽に変えるための“道具”として使っている。
ところが日本ではメルセデスチューンは完全に見栄の世界の存在である。当然だ。日本でその性能を100%発揮する場所はないのだから。日本で200キロ巡航が許されているのはメーカーのテストコースしかない。よってエアロパーツの持つ“毒”だけが際立つ。
センターに大きくエアインテークが開いた2灯式フォグランプ付きスポイラー、スポイラー同様ブラックアウトしたグリル、F1マシンをイメージさせるディフューザー風スカート、同様にF1イメージの赤いセンターリフレクター。ホイールはさっきアルミ塊から削り出したばかりのようなツインスポークタイプで、中には前後ホイール共に大径ドリルドブレーキを備える。タイヤサイズは前後異径でマフラーはもちろん左右2本出しだ。
すべて実用品。ところが日本では残念ながらコケ脅しにも見えてしまうのである。
もちろんそれはブラバスのせいではない。過度に安全重視な日本市場のせいだと俺は思う。本来、これを心底ぶっ飛ばせる道があるべきだが、いまのところは難しい。一部リスクを覚悟して乗るしかないのである。
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