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AIと人間感覚の違和感を埋める日産のBrain-to-Vehicleが面白い

AIと人間の脳のギャップを埋める日産のBrain-to-Vehicle

人間の脳と運転を繋ぐ技術として自動運転と同様、そう遠くない未来に実用化しそうな日産の「Brain-to-Vehicle(ブレインtoビークル)」もそんな技術のひとつだ。

自動運転はそう遠くない将来に必ずくる。そこで大事になるのは、ビックデータや、それを集めるコネクト技術である。「この様なときにはこう運転する」という交通の証例を集め、自動運転を司るAIを経験豊富な大人に成長させていく。ただ、リアルワールドでは交通状況に合う最適解の運転をAIがするわけだが、それがドライバーにとって最良かは別問題で、ブレインtoビークルはそこに注目している。

その要になるのは“違和感”。例えば「この状況ならもう少し車線の右寄りを走ってもらいたい」とか「この状況のカーブならもう少し早めにハンドルを切ってもらいたかった」など、AIの出す最適解と、人の感覚による判断が異なる場合がある。それを脳の運動野の電位変化から読み取り、より人の感性に適合した自動運転を提供するべく機能するのだ。

実現すれば自動運転の分野で、日産は独自の商品性を打ち出した展開ができる。時代の変化、技術の進化は年を追うごとに激しくなり、新たな技術によって古い技術が上書きされているが、こうした人間の感覚野に基づく基礎技術は拡張性や希少性もあり、独自性を保てるかもしれない。

自動運転なんて要らない、自分自身で運転するのが好き…そんな人にもブレインtoビークルは対応する。ドライバーがハンドルを切ったとき、思ったように曲がらないなどの違和感にも対応するのだ。

もう少し掘り下げると、ドライバーの違和感がどのような状況で生じたのかを判断しつつ、AIはドライバーのそのときの気分「スポーティに走りたい」「ゆったり走りたい」など、操作のバックグラウンドにある要求を読み解く。そのうえでハンドルを切る動作の前に、ドライバーの判断を0.3~0.5秒前に脳の運動野から読み取り、その後の操作に備えて、サスペンションの硬さやハンドルアシスト量を変えて、違和感を抱かせず気持ちよく走れるように調整する。

自分で書きながら「本当できるのか?」とか「それは気持ち良いのか?」と思うが、気がつけば電子制御に支配されたクルマで、十分楽しんでいる自分が今いるのだから、こうしたテクノロジーにも順応していくのだろう。

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