トヨタの自動運転実験車に同乗。実用化を前にして考えたこと
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一
もちろん、最先端のハイウェイ チームメイトは自律型の認識技術も市販車レベルを大きく超えている。カメラ、レーザー(ライダー)、5つのミリ波レーダーが車両の360度を常にセンシングして衝突を回避しながら、交通ルールを守り(スピードはドライバーが設定するが)、設定された目的地を目指す。
ルーフの後端には高性能のGPSアンテナ。自動運転実験車でよく見かける、ルーフでぐるぐる回っているライダーはこのクルマにはない。その代わりに前後バンパー内に小型ライダーを6つ搭載している。ルーフ上に大きいのをひとつ設置するほうが悪天候(激しい水しぶきなど)に左右されず、性能面では有利だそうだが、そうしないのは実用化に際しあんなのを載せて走るわけにいかないからだろう。
Highway Teammateは合流を済ませた後、先行車を追従するかたちで本線を走行する。ドライバーは何かあった時にすぐにステアリングホイールを握ることができるよう、両手を広げて腿の上に置いているが、完全に手放しの状態だ。足もペダルに触れていない。ある時、ウインカーを出して右側へ車線変更し、先行車を追い越し、再びウインカーを出して元の車線に戻った。一連の動作にギクシャクした動きはなく、人間がドライブしているよう。クルマに意志を感じ、普段クルマに感じたことのない感情が芽生えた。これって愛着?
実験車両なので、車内のあちこちをケーブルがはっている。トランクにコンピューターが入っているとのことだが、開けて見せてはもらえなかった。走行中、車内にブーンという音が聞こえていた。コンピューターを冷やすファンの音だという。どれほどのサイズかわからないが、実用化にあたってはこれもどこかに設置しなくてはならない。
トヨタが目標に掲げているように、また安倍首相が先日の「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」の年次総会で、東京オリンピックまでに自動車の自動運転技術の実用化を実現させる方針を明らかにしたように、自動運転車は2020年頃、自動車専用道路に限って実用化されるのだろう。日産、ホンダも同時期に実用化を目指すと表明している。
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