自動車業界にも影響が広がる新型コロナウイルス。この経験は今後の「世界」をどう変えてしまうのか?
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹
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さらに言えば、知識としてのみ知っている「スペイン風邪」が起こった20世紀初頭と違い、あるいはSARS騒動が起きた21世紀の初頭と比べても、人とモノの流れの不可逆的なグローバル化が著しく進んだ2020年では、「それ」はけっこう簡単に起こり、きわめてスピーディに伝播することに気づいてしまったからだ。
飲食業を営んでおられる方々のご苦労と心痛に対しては、本当になんというか、言葉もない。筆者もいちおうは自営業者のひとりとして、現在および今後のご苦労についてはある程度理解できているつもりだ。
それはもう、版元の経費で新車試乗会に行って原稿を書いている自動車ライターなんぞの軽く数億倍はキツいだろう。
だが、ビフォーCOVID-19の時代と比べて人が相対的に寄り付かなくなる場所は、なにも居酒屋やレストラン、屋形船などだけではない。
現在は「とりあえずの自粛。そのうち再開するはず」と思われている音楽家各位のコンサートは今後もどうなるかわからず、映画館、カラオケ店、プロスポーツの競技場あたりも一大斜陽産業となる可能性を秘めている。
そして会社員の在宅勤務の流れはいっそう加速し、そこで今ひとつ明確な成果を出せない人員はゆるやかに整理される。ついでに「出会い系サイト」とか「ラブホ」あたりも時代遅れの産業となり、いわゆる不倫も流行らなくなる。
それが、現在の筆者に見えている「アフターCOVID-19」の世界だ。もちろん、筆者の目がド近眼の節穴であることを祈っているが。
つまりそれは、直接的かつディープなコミュニケーションを取るのは恋人や家族、ある程度以上仲の良い友人などに限定し、それ以外のケースではインフォメーションテクノロジーを活用した非接触型のコミュニケーションになるべくとどめる。そして身体に悪いアルコールなどはあまり摂取せず、巣ごもり型のライフスタイルで健康に生きていく。格好をつけて言うなら「晴耕雨読の日々」だ。
そんな晴耕雨読の日々が今後のメインストリームとなるにつれて、筆者を含む自動車ライターという職種は基本的には斜陽化するわけだが、それはそれとして、貴殿らが今楽しんでおられる「カーライフ」というやつは、さしたる影響は受けないのではないかと見ている。いやむしろ「アフターCOVID-19」と「自家用車」とは親和性が高いのではないか?
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