一度踏み込むと逃れられない!? 魅惑のイタリア車 その魅力と気をつけたいポイントとは?
掲載 carview! 文:伊達軍曹 39
掲載 carview! 文:伊達軍曹 39
イタリア車の魅力あるいは「いいところ」を、体感ではなく言葉で言い表すのは少々難しい。故アントニオ猪木さんの言葉ではないが「迷わず乗れよ、乗ればわかるさ」と言いたいのが正直なところだ。
だがあえてその作業にトライしてみるとしたら、挑戦の結果は下記のとおりとなるだろう。
イタリア車のいいところとは「エモいこと」である。
立派な中高年のおっさんとなった筆者は、主に20代ぐらいまでの若衆が使っている俗語「エモい」の意味とニュアンスを正確には理解しておらず、またあえて若ぶってそれを使用するつもりもない。
だが「イタリア車の魅力とはそもそも何なのか?」ということについて長考に入れば入るほど、「それは“エモいこと”である」との答えが、遺憾ながら導き出されてしまうのだ。
>>ラリーで大活躍したあのクルマのオーナーの声推測するに「エモい」という近年生まれた俗語は、英単語「emotional(エモーショナル)」が持つ意味のひとつである「(言葉などが)感情に訴える」にきわめて近いはず。
何らかの事象や風景などに対して、なんと表現していいものかよくわからないが、とにかく自分の「emotion(エモーション)」、つまり“感情”のどこかが激しく、あるいは静かに揺さぶられたように感じるとき、若衆たちはつぶやくのだ。「エモい……」と。
そして人はイタリア車に接すると、年齢を問わず、これとほぼ同様の感情が脳内あるいは体内に発生する。
そのややエロティックなエクステリアおよびインテリアデザイン。まるで人間の魂そのものが爆発燃焼しているかのようなエンジンの回転感覚。前輪に舵角を与える前から曲がり始めてしまうような(?)クイックネス。それらすべてに“感情”が揺さぶられるのだ。

イタリア人が意識的に“それ”を行っているのか、あるいは国民性や民族性の無意識な発露として「車を作るとなぜかエモくなってしまう」のかは、筆者にはわからない。
だがいずれにせよイタリア車は、「理」を無視するわけではないにしても、「理」以上に「エモーション」に重きを置いて設計されてきたプロダクトであることは、ほぼ間違いない。
ローマっ子が「……カッコよくなくてエンジンがあんまり回んない車に乗るぐらいなら、歩いたほうがよくね?」と言っているかどうかは知らないが、それに近いことを、胸の内では考えているはずなのだ。
>>80年代を代表するイタリアのスポーツカーといえばこちら
ひるがえってドイツ車は、どう考えても「理」を最優先とした作り方がなされていると思われる。
もちろんドイツのエンジニアとてエモーションの価値を軽んじているはずはないが、どうしたって「理」のほうを優先してしまうことの結果として、エモーション成分は、そこに特化しているイタリア車と比べれば薄めになってしまうわけだ。
これはもう致し方のないことである。なぜならば、人間がアウトプットできるものの総量には限界があり、その総量は、どんな人であっても結果としてだいたい同じぐらいであるからだ。「あちらを立てればこちらが立たず」という話である。
まぁ世の中には「外資系投資銀行で年間数億円のサラリーを取りながら、きわめて円満で幸せな家庭を築き、直木賞を受賞しながらボランティア活動に励み、オリンピックで金メダルを取る」みたいなスーパーマンもいる可能性はある。だがスーパーマンは「ほとんどいない」からこそ「スーパーなマン」なのである。
>>質実剛健セダンのライバルといえばこちらまぁそれはさておき、ドイツ車が「理」に全振り(というか8割5分振り)している車であるとしたら、日本車は「理」と「奉仕の心」に自らのエネルギーの9割ほどを分配し、残る約1割でエモーションを追求している存在――といったところだろうか。
理と奉仕の心にほぼ全振りしているだけあって、日本製の車はとてもよく走るし壊れないし、細かな装備類は「かゆいところに手が届く!」といった塩梅だ。しかし前述のとおり人間ができることの総量には限りがあるため、理と奉仕に約9割も割くと、エモーション方面に割けるリソースはどうしたって手薄になる。
それゆえに「国産車は……壊れないのはいいんだけど、運転していてつまらない」みたいな感想も生まれるわけだ。筆者は国産車のドライブフィールやデザインが特につまらないとは思わないが、しかし一面の真実であるとは思っている。
>>理と奉仕の心に全振りした国産セダンといえばこちら
ここまで物事を整理すれば、イタリア車の「いいところ」の逆サイドに存在している「よくないところ」は、もはやご説明するまでもないだろう。
イタリア車のよくないところとは、決してエモーションに全振りしているわけではないものの、そこに割いているリソースがあまりにも多大であるせいで、「理」と「奉仕の心」が必然的に手薄になってしまっている――ということだ。
端的に言ってしまえば、理屈で考えればあまりもげないはずの部品が簡単にもげてしまったり、「生産性」みたいなことはさほど考えていないせいか(もしくは、考えているが間違っている)、エンジンルーム内のちょっとした部品を外すためにエンジンを半降ろししなければならないような作りになっていて、その結果としてバカ高い整備工賃が発生してしまう――など、「理」を最優先するタイプの人から見ればバカバカしい問題が発生することもあるのが、イタリア車の「よくないところ」である。
>>00年代アルファロメオヒット作のユーザーレビューはこちらそういった問題に対しても笑っていられるというか、「決して笑い事じゃないんだけど、エンジンとカタチが気持ち良すぎるから、まぁいいか」と思える人でないと乗れないのが、過去のイタリア車ではあった。
だが近年はご承知のとおり自動車マーケティングおよび設計製造の汎グローバル化が極端に進んでいるため、新車あるいは高年式中古車としてのイタリア車を買うのであれば、筆者がここまで述べてきた「イタリア車のよくないところ」について過剰に悲観する必要はない。
強いて言うのであれば、「とはいえ往時のよくないところの“残り香”みたいなものはやっぱりあるので、そこはあらかじめあきらめてくださいね」ということぐらいであろうか。
>>近年のアルファロメオのスポーツセダンといえばこちら<おわり>
写真:ステランティス、メルセデス・ベンツ、carview!
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