プジョー2010年の展望救世モデルに期待、大!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
1万5318台を売り10年連続対前年比アップを記録した2003年をピークにプジョーの販売台数は下降を続け、2009年は4365台にとどまった。2009年はリーマンショックの影響で多くのインポーターが販売台数を落とし、国産車に有利なエコカー減税もそれに追い打ちをかけた。しかし、それにしてもピーク時の3分の1以下というのはかなり厳しい数字である。
販売ネットワークは相変わらず充実している。モデルバリエーションも減っていない。プロダクトの魅力も落ちていない。
ならばどうしてプジョーはここまで苦しんでいるのだろうか。最大の理由は、価格戦略の誤りにあったというのが僕の考えだ。
デビュー当時の206のスターティングプライスは165万円に設定され「日本車より高いがドイツ車よりは安く、それでいて飛び切りお洒落なカジュアルでフレンドリーな輸入車」という独自の立ち位置を獲得。それが大ヒットにつながった。上位車種の307も同様で、デビュー当時のスターティングプライスはVWゴルフより20万円以上安い207万円に設定されていたのである。
ところが、206の後継モデルにあたる207は、スターティングプライスが239万円へと大幅に上がってしまった。それに引きずられる形で、307の跡を継ぐ308のスターティングプライスも299万円まで上昇。207も308もたしかに充実した装備レベルや、1クラス上の車格感を備えていたのだが、如何せん価格が高すぎた。その結果、前述した「日本車より高いがドイツ車よりは安く、それでいて飛び切りお洒落なカジュアルでフレンドリーな輸入車」というキャラクターはもろくも崩れ、「お洒落だがドイツ車よりも割高なクルマ」というイメージになってしまったのだ。
あえてはっきりと言わせてもらう。身の丈を超えたプレミアム戦略がプジョー不振の最大の原因である。しかし、嬉しいことにそんな流れを断ち切るモデルが登場し始めている。
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