BMW MがMであるための秘めたるテクノロジー
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆、編集部/写真:菊池 貴之、BMWジャパン
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆、編集部/写真:菊池 貴之、BMWジャパン
高回転まで吹け上がるエンジン。それは走りの気持ち良さや楽しさ、そして高揚感を生み出す要素として追い求めるもの。しかしMモデルのエンジンは、さらなる高みを求める。それが吹け上がりの質だ。具体的にはレッドゾーンを、「超」が付く高回転領域の7000回転超えにしたうえで、そこまで淀みなく、鋭く吹け上がるレスポンス。
今の時代は燃費を含めた環境性能を求め、エンジンのダウンサイジングが流行っている。M5・M6のエンジンが、先代のV10からV8になったのも同様の理由…と思われがちだが、Mの開発者いわく、それは単なる結果に過ぎない!と強くいう。クルマのキャラクターから各種の目標性能は決まる。それを、その時の最良技術で得るのがMのクルマ造り。今の時代で最も高効率燃焼を可能とする直噴ターボ技術に着目した結果、必要エンジン排気量がV8サイズになっただけであり、結果的に燃費の良さも手に入っただけなのだ。
最新のV型8気筒Mツイン・パワー・ターボエンジンを見ると、その時代の最良の技術を使うという意味がよく解る。M独自のバルブタイミング制御技術「MダブルVANOS」とバルブリフト制御技術「バルブトロニック」に、直噴ターボ技術を組み合わせて燃焼を緻密にコントロール。これにより、V8エンジンで以前のV10を優に越える絶対性能を得た。また、エンジンが低回転時から働くようにターボ本体をツインスクロール式にした。さらに、右側バンクの排気で左側バンクのターボを稼働させるという世にも珍しいクロス配管の造りでターボラグを解消している。
圧倒的なパフォーマンス支える機能としてとても重要な存在であるにもかかわらず、なかなかその凄さや性能に光が当たることが少ないのが、Mが造り出すトランスミッションである。Mモデルの超高回転型エンジンによる走りを気持ち良いとか楽しいと感じられるのは、エンジンの出力変化をトランスミッションが"濁すこと無く"正しくタイヤに伝え、忠実な速度変化のインフォメーションとしてドライバーに提供するからだ。
現行のM3やM5そしてM6から採用されたM DCT Drivelogicは、奇数段と偶数段を配した2組のMTをコンパクトに組み合わせた仕組み。それぞれのMTを交互に使うため、各クラッチとシフト変速作業をクルマが自動で行う。MTであればクラッチペダルを踏み込んで繋ぎかえるときに発生するエンジンパワーの伝達ロスが、これによって途切れなくなり、驚異的な加速力と変速による姿勢変化の少ない安定した走りを手に入れた。
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