マークXの恐るべき戦略 日本の男のド真ん中!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:中野 英幸
しかもマークIIは、04年にマークXに進化してからというものの、徐々にいろんな意味で侮れない存在となってきている。まずは熟成され、和の美しさとでも言うべきテイストを身に付けたスタイリングだ。
それまでバブル期のマークIIは、極端にキャビンが小さく直線基調で、独自の美しさを持っていたが、やや室内が狭すぎ、線が細すぎた。よって90年代の終わりの最後のマークIIはドイツ的デザインとなり、特に全高が高くなったがその分華やかさに欠けるところがあった。
よって初代マークXはいいとこ取りをし、ほどよく背を低くスポーティにし、肉感的な丸みを帯び、片側3連プロジェクターヘッドライトやマフラー内蔵のディフューザー風リアバンパーなどモダンなディテールを採用。人気を取り戻した。
新型はまさにそれを進化させたテイストだ。それこそがトヨタの言うグラマラス+ハイテク=「グラムテック」だが、サイズは全長全高が4730×1435mmと全く変わらず、全幅だけが20mm拡大して、ワイドかつグラマラスに見せると同時に、フロントピラーの付け根を従来より80mm前に伸ばし、ある種、FF的フォルムを作り上げている。
結果、キャビンは広く開放的な印象となり、さらに全体の丸さを抑え、リアフェンダー下をふんばり感を持たせることにより、マークXらしい伸びやかさも強調できた。
そしてなんと言っても特徴的なのはグリルで「X」のエンブレムがますます立体的かつ大きくなり、押し出しを強めている。
一方、インテリアは全くの逆で、初代の斬新なフラットインパネや丸いシルバーパネル付きのATシフターは、スポーティかつオーソドックスな造形となり、話題の銀座のクラブ的な天井の大型LEDイルミネーションは廃止された。
少々残念だったのでエンジニアに無くした理由を聞くとズバリ「それほどウケなかったから(笑)」で、より実情に即したカタチになったのだ。
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