新型コンチネンタルGT絶賛。走りもデザインも新たな地平に到達した
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:菊池 貴之
そのW12ユニットは、6Lツインターボという構成は従来通りながら、筒内直接噴射とポート噴射を併用するTSIとされ、また気筒休止機構、スタート・ストップ・システムなども搭載する。最高出力は635ps、最大トルクは900Nmに達する一方、燃費は15%の改善を実現しているという。
これだけ力があれば、回転計の針は普段2000rpmまですらほとんど達しないが、それでもドライバビリティは上々だし、追い越しなどもタイムラグを感じることなく行なうことができる。8速DCTの採用も、まるで右足と直結したかのような好レスポンスに繋がっているのだろう。
しかもブレーキも高い制動力と、微妙な操作にも応えるコントロール性を両立しているから、車速を問わず非常に走らせやすい。全車速追従のACCも備わるが、自らの運転でも渋滞すらまったく苦にならない。ブレーキペダルを奥まで深く踏み込むと、自動でパーキングブレーキがかかりアイドリングストップ状態になる機能も、大きな助けとなってくれる。
もちろん、本領を発揮させれば凄まじい速さを披露することは言うまでもない。左のダウン側シフトパドルを引き続けると、ギアは自動的にその時に入れられるもっとも低い段まで下がる。そこからアクセルを踏み込めば、怒濤のパワーとトルクで蹴飛ばされるような加速が始まる。全開にした時だけタービンからなのかどこからなのか耳に届く、キューンという高周波の混ざったサウンドも気分を昂ぶらせる要素で、すぐに速度は禁断の領域に到達してしまうのだ。
決して非の打ちどころが無いわけではない。DCTが低速域での変速時に多少のショックを伴うことがあることなどは要改善と言いたいが、しかしそれぐらいではこのクルマの圧倒的な魅力を何ら損ないはしない。初代が築き、2代目が育んだコンチネンタルGTだけが持つ独自の世界は、3代目にして大きく飛躍し、まったく新たな地平に到達したと言っていいだろう。
とにかく圧倒されたの一言。自分のボキャブラリーの乏しさが恨めしいが、自動車というものが体現できるラグジュアリーには、まだまだこれほどの可能性が秘められていたのかと、久々に感動させられたテストドライブだったのである。
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