ゴーンなき日産はコスト絶対主義を卒業し、魅力あるクルマづくりを取り戻せるか?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:日産自動車
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:日産自動車
こんなエピソードを聞いたことがある。あるクルマ好きの役員に向かってゴーン氏は、「クルマ好き視点は経営判断を狂わせる。いまの地位にいたいなら今後一切クルマが好きだなどと口外するな。その考え方は封印しろ」と。豊田章男社長とは真反対の考えだ。
そういえば以前、モータースポーツ活動についてゴーン氏にインタビューしたときにも驚かされた。「モータースポーツは販売促進活動の一環なのだから、勝てなければやる意味がない」ということを当たり前のように言ったからだ。もちろん、ワークス活動である以上、勝つつもりもないのにやるのは愚の骨頂だが、ゴーン氏のニュアンスはそれとは違っていて、あくまでビジネス視点。そこにクルマ好き視点はなかった。思わず「だったら絶対に負けない方法が二つあります。ひとつは参戦しないこと。もうひとつはワンメイクレースだけに参戦することです」と言ってしまったことを覚えている。ま、そのときはジョークだと解釈して笑ってくれたが(笑っても目は絶対に笑わない)、日産のモータースポーツ活動が低迷しているのはご存じの通りだ。
そんな日産が、新体制になってどうなるのか? 最悪のシナリオは、ゴーン流の「損をしない経営」だけを継続すること。それをやったら日産はもっとダメになる。冷徹な経営者である一方、曲がりなりにもGT-Rを復活させ、最近ではEVの推進や、内燃機関でもVCターボ(可変圧縮比エンジン)の可能性に理解を示し予算を与えていた、ゴーン氏にはそんな一面もある。「コストカットだけでなく、ちゃんと話せば理解してくれる人でもあった」というのが現場のゴーン評だ。
ゴーンが去った後、ゴーン流の経営を見てきたプチゴーンたちが日産を掌握し、ゴーン時代以上にコスト絶対主義経営を推し進めたら、それこそ目も当てられない状況になる。血を流し、再スタートを切るのであれば、かつてのようなクルマ好きが憧れる一面をもった日産へと生まれ変わって欲しいと切に願う。
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