ゴーンなき日産はコスト絶対主義を卒業し、魅力あるクルマづくりを取り戻せるか?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:日産自動車
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難しいのは、そこに関してゴーン氏の経営には功罪があったということ。功は「絶対に損をしない経営」だろう。さして魅力的なクルマがないのにしっかり台数を売って利益も出しているのはゴーンマジックの代表例。その背景には徹底した需要予測とコスト管理がある。これは面白そうだからやってみよう、なんていい加減なことは絶対に許されない。あらかじめ需要を予測し、利益が出る原価を弾きだしたうえで商品化する。その結果、商品がそこそこの出来でもよしとする。スタビを抜いたところで普通のユーザーはそんなこと気にしない、わからない、それよりプロパイロットやe-POWERみたいなわかりやすい部分をアピールしちゃおうよ、と。このあたりの徹底ぶりは他のメーカーの追随を許さない。
実際、新型リーフのインテリアは目を覆いたくなるような安普請なものになり、すでに海外で販売され高い評価を得ているVCターボ(可変圧縮比エンジン)搭載モデルの日本導入はなし。GT-Rはもうすぐ12年目を迎え、Zにいたっては販売こそ続いているものの、ほとんど手を加えられることなく放置されている。アジア向けにコストのことしか考えず開発したマーチを日本にもってくるなんて手法もその一環だ。
ゴーン氏の経営者としての手腕に疑いを挟む余地はない。しかし彼が得意とするのは倒れかけていた木を元どおりにすることであって、生き延びた木の幹を太くするのとは違う。いわば天才的な救命救急医ではあるものの、慢性疾患の患者を回復させるのにはそれに向いた医師が求められる。日産に来て約20年。そういう意味では長くトップを続けすぎた。
ソロバンをはじいて合わないと判断したらやらないという損得絶対主義経営は、短期的には正解だし、それでバランスシートもよくなる。しかし長期的に見た場合、日産のブランドイメージ毀損につながるというリスクまでは考えていない。実際、最近の日産車でクルマ好きを唸らせるようなモデルあったっけ? 日産の社員ですら「欲しいクルマがない」と嘆いている現状を考えると答えははっきりしている。
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