DS3カブリオ、雨の日にはオープンに乗って!?
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:篠原 晃一
のっけからルーフ開閉ばかりに気を取られていたが、DS3カブリオは本格的なスポーツハッチばりによく走る。1.6Lツインスクロールターボは、わずか1000rpmからターボが効き、6速MTがそれを思うままに操るサポートをしてくれる。トルクも太く、ヴィッツのおよそ2倍にあたる240Nmが1400rpmからグワッと盛り上がるので、連続するタイトコーナーだってリズミカルに駆け上っていける。加速の伸びも気持ちよく、それがどの速度域からでも堪能できるからついつい踏んでしまうのだった。
これは、重量増をハッチバック比20kgにとどめたことや、ルーフサイドやトランクルーム上部などに補強を加えて剛性を確保したこと、そしてリアボディ下部にバランスウェイトを配して重量配分を適正化したことなど、カブリオだからと妥協しない走りへの情熱がもたらしたものだろう。
また、身体にぴたりとフィットしているフルレザーシートが絶品であることに、箱根の山道を走りながら気がついた。優しい肌触りにもかかわらず身体の無駄な揺れをなくし、それでいて操作の邪魔をしない。ちょっと感動的なフルレザーシートは標準装備だ。そしてインパネからドアパネル、後席にいたるまで、完璧にトータルコーディネートされた色や素材。ほのかに香るパルファムエアフレッシュナーも、シトロエンではお馴染みとなり、まさに五感で味わうインテリアが広がっている。
クローズドにすると完璧なハッチバックのように走り、静粛性や快適性も遜色ないDS3カブリオは、走行中に思い立ったらいつでもオープンにでき、やめたくなったらすぐにまたクローズできるという、一瞬の気持ちの盛り上がりを解放してくれるオープンカーだ。紅葉したイチョウ並木で「わぁ、きれい!」と思ったらスイッチを押す。富士山が雲から顔をだしたら、スイッチ。降るような星空でも、スイッチ。今日みたいに雨の日でも楽しいのだから、ドライブが何倍にも輝く時間になりそうだ。
「でも、MTしかないからなぁ」と悩んでいる人には、こんな情報がある。日本で通常のDS3はATとMTの設定があるが、なんと約40%がMTユーザーなんだそうだ。1泊2日で1000km以上をひとりで運転した私からも、この最新6速MTはとても操作感がよく、まったく疲れなかったことを付け加えておこう。
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