ポルシェの電気自動車タイカン。意味は子馬だが価格はサラブレッド
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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タイカンのEパワートレーンは制動力の90%を回生ブレーキで賄ってしまう。要するにドライブペダルだけで日常の運転をこなすことができるわけだが、回生作動とメカニカル・ブレーキの協調が巧みに行われるため、不自然さは感じられないとテストドライバーは言う。回生エネルギーは最大で60kW、それに伴う減速Gは最大で0.39Gとなる。
車載電気アーキテクチャーは800Vで、一般の電気自動車の2倍以上の電圧である。この結果、タイカンは800Vの急速充電では100kmの航続距離を得るのに僅か5分で済む。またゼロから80%に充電するまでは22分30秒かかる。もちろんそれには270kWの充電設備が必要だ。社長のオリビエ・ブルーメは「もちろん我々も充電インフラを増やして行くが、国が電気自動車の普及を推進している以上、充電設備拡充への援助はして欲しい」と本音ものぞかせていた。
もちろん家庭でも11kWまでの交流充電ができるが、一晩は掛かるだろう。セルはLGケミカル製のパウチタイプで、12個のセルからなるモジュールを33個組み合わせた合計396個のセルからなる電池は、クラッシュ保護のフレームに囲まれた状態で650kgあり、WLTPによる航続距離はターボが450km、ターボSは412kmと発表されている。
サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット、リアはマルチリンクだが、ほとんどがアルミ製だ。また3チャンバーの可変エアサスペンションは、スタンダード状態の車高から22mm高く、また20mm低く設定可能である。一方4WSはターボ Sには標準で、最小回転半径は未装着のターボよりも60cm小さい、5.3mになる。
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