補助金終了でガス代200円超えの恐怖再び! 燃費が一番いいパワトレはどれ?
掲載 carview! 文:山本 晋也 539
掲載 carview! 文:山本 晋也 539
世界的なインフレ、ロシアのウクライナ侵攻などよって原油価格が高止まりしています。また、日本固有の問題として円安もあり、ガソリン価格をさらに押し上げています。
こうした状況では、地方などでは必須の移動手段であるクルマが高コストになってしまいます。その対策として日本政府は通称「ガソリン補助金」を元売り各社に支給してきました。
このおかげでレギュラーガソリンの価格はリッター当たり160円台に留まっています。補助金がなかったら最高値では200円を大きく超えていたことを思うと、ドライバーにとってはありがたい補助金だったといえます。
“だった”と過去形にしたのは、このガソリン補助金が2023年6月より段階的に縮小、9月には終了するという方針が発表されているからです。このまま円安が進めば、レギュラーガソリンがリッター220円などという時代がやってくるかもしれません。
いずれにしても燃料代を抑えることはドライバーの自己防衛手段となります。そこで、もし新車を買うならどんなパワートレインを選ぶといいのかを考えてみましょう。
日本で買える新車として考えうるパワートレインの選択肢は、バッテリーEVを除くと、大きく4タイプに分類できそうです。
1:ガソリンエンジン(マイルドハイブリッド含む)
2:ディーゼルエンジン(マイルドハイブリッド含む)
3:ガソリンエンジン+ストロングハイブリッド
4:ガソリンエンジン+プラグインハイブリッド
ただ、これら4種類のパワートレインがすべて選べる市販モデルは日本では見当たりません。そのため同じモデル(車体)でパワートレインの違いによるランニングコストを比較するのは困難です。そこで、国産Cセグメントの代表的なモデルのカタログ燃費(WLTCモード)から、どのパワートレインがランニングコスト的に有利なのかを試算してみることにしましょう。
サンプルとしてチョイスしたのは、2.0Lガソリンエンジン(マイルドハイブリッド)と1.8Lディーゼルエンジンを積む「マツダ3」、2.0Lハイブリッドとプラグインハイブリッドを用意する「プリウス」です。
<写真:プリウス>
<写真:マツダ3>
>>プリウスってどんなクルマ? 価格やスペック情報はこちら
>>プリウスのユーザーと専門家の本音はこちら
>>プリウスの何が知りたい? みんなの質問はこちら
>>マツダ3ってどんなクルマ? 価格やスペック情報はこちら
>>マツダ3のユーザーと専門家の本音はこちら
>>マツダ3の何が知りたい? みんなの質問はこちら
燃料価格は、資源エネルギー庁の発表値(https://nenryo-gekihenkanwa.jp/pdf/result_rev66.pdf)を元に、補助金がなかった場合の末端価格を参考にしようと思います。
調査時点(6月上旬)の数値をみると補助金がない場合のレギュラーガソリンは182円/L、ディーゼル燃料(軽油)は162円/Lでした。
プラグインハイブリッドの場合は燃料代のほかに電気代もかかってきます。ご存知のように電気料金も上がっていますが、こちらは東京電力の従量電灯契約(https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/pdf/teiatsu_minaoshi_pdf3.pdf)の中間値である36.6円/kWhを参考にして試算します。
では、サンプルに選んだ各モデルのWLTCモード燃費と車両価格を、車両価格の安い順に列記してみましょう。なお、今回は基本的にFWDモデルの数値を参考にします。
1位:マツダ3(ガソリンエンジン)|16.4km/L|259万3800円
2位:マツダ3(ディーゼルエンジン)|21.2km/L|286万8800円
3位:プリウス(ガソリンハイブリッド)|28.6km/L|320万円
4位:プリウス(プラグインハイブリッド)|26.0km/L※|460万円
※EV走行距離87km WLTCモード電費7.46km/kWh
それぞれ100kmを走行した場合のランニングコストは次のようになります。
1位:プリウス(プラグインハイブリッド)|518円(電気代427円+ガソリン代91円)
2位:プリウス(ガソリンハイブリッド)|636円
3位:マツダ3(ディーゼルエンジン)|764円
4位:マツダ3(ガソリンエンジン)|1110円
税制による違いもありますが、燃料と電気のランニングコストを比べると、どうしても電気が有利となるためプラグインハイブリッドは満充電で走行できる比率が高いほど有利になりがちです。
では、一気に500kmを走るという条件にするとどうなるでしょうか。1位:プリウス(ガソリンハイブリッド)|3180円
2位:プリウス(プラグインハイブリッド)|3318円(電気代427円+ガソリン代2891円)
3位:マツダ3(ディーゼルエンジン)|3820円
4位:マツダ3(ガソリンエンジン)|5550円
このようにガソリンハイブリッドのランニングコストがもっとも安いという計算結果になります。ランニングコストだけを考えると、近距離ユースがメインという方はプラグインハイブリッドが有利で、長距離を走ることが多いのであればガソリンハイブリッドを選ぶべき…となりそうですが、そうは問屋が卸しません。
ランニングコストだけに注目してしまうと車両価格を含めたユーザー負担の大きさが見えなくなってしまいます。今回の比較でいえば、プリウスのガソリンハイブリッドはマツダ3のディーゼルエンジンより33万1200円も高くなっています。
異なるモデルなので、単純比較をするのはナンセンスでもあるのですが、ガソリンハイブリッドのプリウスとディーゼルエンジンのマツダ3の燃料コスト差は、100kmあたり128円なので、単純に燃料代の違いで車両価格差を埋めるには、およそ26万kmを走る必要があるともいえます。
>>プリウスのグレードごとの価格やスペック情報はこちら
>>マツダ3のグレードごとの価格やスペック情報はこちら
同じことをマツダ3のガソリンエンジンとディーゼルエンジンでも比較してみましょう。車両価格差は27万5000円で、100kmあたりの燃料コスト差は346円です。計算すると約8万kmを走ると車両価格差が埋まることになります。
平均的なユーザーでは8万kmを走るのに10年以上かかるかもしれませんが、ロングドライブ派であれば、数年でもとが取れると感じるかもしれません。
まとめると、ガソリン補助金が終了した後のランニングコストは、車両価格を無視して考えるとプラグインハイブリッドがもっとも有利となります。今回は燃料価格を軸にしたのでEVは試算していませんが、近距離ユースであればEVのほうがローコストで走行できると考えることもできます。
一方、長距離を走ることの多いユーザーが車両価格も含めて考えると、ディーゼルエンジンを選ぶことがもっともランニングコストを抑えられるケースも出てきます。
いずれにしても、答えはひとつではありません。カタログスペックなどを参考に、自分自身の使い方においてパワートレインごとのランニングコストと車両価格の関係を試算してみることが大切です。
>>プリウスの中古車情報はこちら
>>マツダ3の中古車情報はこちら
写真:トヨタ、マツダ
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
最近のホンダ勢いヤバくね? 新型投入で勝負に出る! 新型WR-Vに人気のヴェゼルまで注目車4選
はたらくクルマ図鑑「ヤマグチのレッカー車たち」3
初代からコスパめっちゃよかったのよ!! 「最強のオールマイティカー」電撃見参!!! 三菱初代アウトランダーPHEVの魅力
迷彩カラーは4タイプ! 12台限定のランボルギーニ「ウラカン ステラート」が登場。「オールテレイン アド・ペルソナム」の気になるカラーは?
F1アカデミー、アメリカン・エキスプレスをオフィシャルパートナーに迎える
ミニ・カントリーマン 詳細データテスト ミニらしく活発 SUVらしからぬタイトな挙動 車体は大柄
[ヤリスクロス]より爆安!! [初代アウトランダー]みたいなクルマを今こそ!! 230万円台で3列シートって!! しかも三菱渾身の4WD技術でバカ安だった
「レンジローバー スポーツSV」はBMW M製V8ツインターボを搭載! エンジン屋「X5M/X6M」「M5」の強心臓とのマッチングはいかに
9年目の大アプデで一層楽しい! マツダ・ロードスターへ英国試乗 新LSDとトラック・モード獲得
幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」
バニャイヤ、王者同士の激戦制し今季2勝目! マルケスがドゥカティ陣営移籍後初の表彰台獲得|MotoGPスペインGP決勝
はたらくクルマ図鑑「ヤマグチのレッカー車たち」2
【ホットハッチは好きですか?】ポロGTI生誕25周年モデル登場 227台限定で486万円
史上最強のディフェンダー“オクタ”まもなく登場。V8搭載で2000万円級も初回220台は即完売か
ホンダが斬新デザインの電動SUV「e:NP2」を中国で発売。足元揺らぐBEV市場に不安も…
WR-Vには負けられん! 「ヴェゼル」が新顔「ハント」を加えて色々テコ入れ、格の違い目指す
【1年以内に発売予定!】トヨタ新BEV「bZ3C」&「bZ3X」を中国で世界初公開
マツダが後輪駆動スポーティセダン「EZ-6」を中国で発表! 新型「CX-5」を匂わすSUVコンセプトも
伝説の「パジェロ」に続き「パジェロミニ」も開発中か。三菱が“令和のRV軍団”復活へ
【こりゃ驚いた!】欧州三菱コンパクトSUV「ASX」がマイナーチェンジで顔一新!
【同じに見える人集合】新型ミニはどこが変わった? 新旧の違いを写真でチェック!