【首都圏版】あなたもきっと格付けしている… ナンバープレートヒエラルキー

横浜、湘南にはそこはかとないイメージの良さがある

だが、それらに対して「横浜ナンバー」と「湘南ナンバー」の清々しさときた日には――。

横浜ナンバーを見るとほぼ自動的に、霧にけむる港町と中華街の光景が脳裏に浮かび、ベージュのトレンチコートが着たくなる。そして点心も食べたくなってくる。ついでにマリンタワーに登って恋人と手をつなぎ、口づけのひとつやふたつもキメたくなってくるものだ。

実際には横浜ナンバーが付くエリアのうち、前述したような妄想イメージに合致するのは横浜市の中区や鎌倉市、葉山町などだけであって、横浜の中心地から遠く離れた横浜市瀬谷区あたりの実態とは何の関係もない話である。だがとにかく、横浜ナンバーは“イメージ”が良いのだ。

それと同様に「湘南ナンバー」も、とにかく妄想が膨らんでやまないナンバープレートである。筆者のような中高年は、湘南と聞くと自動的に「浜辺でエレキギターをかき鳴らす若大将（加山雄三さん）」が想起されるし、若い人であれば、逗子市あたりにてエコでサステイナブルな暮らしをしながら、しゃれた自然派のカフェも営むようなライフスタイルが想起されることだろう。

実際には、前述した逗子市は湘南ナンバーではなく横浜ナンバーに該当するエリアであり、湘南ナンバーは、本来の湘南とはあんまり（ほとんど）関係ない南足柄市や山北町の山中に住まう人々も付けているわけだが、そういった実態はどうでもいいのだ。大切なのはイメージである。