セダンですけど売れています! 現行トヨタ カムリの装備とグレードを解説
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:トヨタ自動車 75
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トヨタ「カムリ」は、特に北米での人気がきわめて高いトヨタの世界戦略車。ボディタイプ的には4ドアセダンで、セダン受難の時代といえる日本市場においても堅調に売れ続けています。世界的な部品不足などの関係で直近の販売台数ランキングは落ちていますが、部品供給の問題が解決すれば、ランキングはまた上がっていくことでしょう。
現在販売されているのは、2017年7月に発売された10代目のカムリ。プラットフォームは現行型のRAV4やハリアーなどで採用されている「GA-K」という上級のグローバルプラットフォームで、ボディサイズは全長4885mm×全幅1840mm×全高1445mm(G、Xグレード)。車内スペースを広く採ることができるFFレイアウトであることに加え、従来型よりもフロア高が20mm下がった関係で、室内空間は十分以上の広さが確保されています。
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日本仕様のパワーユニットはハイブリッドのみ。世界トップレベルの熱効率を誇る最高出力178psの直列4気筒2.5L「ダイナミックフォースエンジン」と、同120psのフロントモーターを中心とするハイブリッドシステム「THS II」と組み合わせることで、優れた動力性能と低燃費とを両立させています。WLTCモード燃費は24.3~27.1km/Lです。
先進安全装備「Toyota Safety Sense(トヨタ セーフティ センス)」は全車標準装備で、ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせにより、車だけでなく昼夜の歩行者と昼間の自転車運転者を検知し、衝突回避を支援します。さらに、カーブ速度抑制機能の付いた全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシスト、ブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)等々もフル装備されているのが特徴です(※最廉価グレードのXのみ、ブラインドスポットモニターとパーキングサポートブレーキの設定なし)。またパノラミックビューモニターも、Xを除く全車にオプションとして設定されています。
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登場以来、安全装備などの向上施策を何度か行っているカムリですが、直近では2022年8月に一部改良を行い、外板色に「エモーショナルレッドIII」を新設定したほか、G“レザーパッケージ”の内装色に「オーカー」というブラウン系の色味を新設定。また充電用USB端子を「Type-A」から「Type-C」に変更しています。
現行型カムリは、いわゆる走りにおいても不満がないというか、むしろ大いに満足できる一台です。新世代のプラットフォームを採用しているだけあって乗り心地はきわめて良好で、デフォルトの走行モードである「NORMAL」であっても普通に走る際の力感は十分ですが、シフトレバー手前のセレクトボタンで「SPORT」を選択すれば「とにかく速い!」といったニュアンスの加速感に激変します。それゆえ普通にのんびりと走りたい場合でも、スポーティに走りたいと感じた場合でも、現行型のカムリはこれ一台で用が足りてしまうわけです。
現在販売されているカムリのグレードと価格は以下のとおりです。
X/349万5000円(4WDは369万3000円)
G/380万4000円(4WDは400万2000円)
G“レザーパッケージ”/437万4000円(4WDは457万2000円)
WS/394万7000万円(4WDは414万5000円)
WS“レザーパッケージ”/448万4000円(4WDは468万2000円)
上記のうち「X」は16インチの比較的小径なホイールを履くほか、一部の豪華装備とブラインドスポットモニターおよびパーキングサポートブレーキが省略された廉価グレード。「G」は、中間グレードというよりは「上級グレード」といったニュアンスの装備内容で、「WS」は「スポーティな意匠をまとった上級グレード」。装備レベルはWSのほうがGよりほんの少し上ですが、大差はありません。
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そしてGおよびWSの“レザーパッケージ”は、文字どおり本革シートが標準装備されることに加え、18インチホイールや電動チルト&テレスコピックステアリング、カラーヘッドアップディスプレイ、助手席4ウェイパワーシートなどが標準装備となる「最上級グレード」といった位置づけです。
これらのうちどれが「おすすめ」になるかといえば、さすがに装備内容がややさみしいXを除けば「どれでもいい」ということになるでしょう。ラグジュアリーなニュアンスがお好きであれば、その「好き度」とご予算に応じてGまたはG“レザーパッケージ”を選ぶ。そしてスポーティなニュアンスがお好みなら、同じく好みと予算に応じてWSまたはWS“レザーパッケージ”を選ぶ――というのが、現行型カムリのグレード選択方法です。
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トヨタ カムリのライバルとなるのは、長年にわたって競合関係にあるホンダ「アコード」でしょう。
日本市場では今や影が薄いアコードですが、主戦場である北米ではよく売れており、カムリのまさに“好敵手”といった立ち位置になる車です。両者はボディサイズも走行性能も、そして居住性なども大局的に見れば「おおむね同じ」であり、燃費も、カムリのほうが若干優秀ではありますが、大差はありません。
それゆえ、もしもアコードのデザインのほうが好みであったり、「ホンダ」というブランドのほうがお好みである場合は、ホンダ アコードを選んでも何ら問題はありません。いや問題はないどころか、なかなか良い選択であるはずです。
現行ホンダ アコード
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しかしカムリには「モノは良いのに価格は安い(安いというか、高くはない)」という決定的な美点があります。
現在、アコードの日本仕様は「EX」というグレードのみが販売されており、そちらの車両価格は465万円。カムリの「349万5000円~」という価格設定とはずいぶん開きがあるのです。
もっとも、アコードのEXは必要と思われる装備は最初からフルに標準装備されていますので、カムリで言う「G“レザーパッケージ”」に相当します。その場合の価格差は約27万円まで接近します。
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それゆえ「カムリのほうが圧倒的に安い!」とは言えないのですが、しかし カムリには「比較的安価なグレードを選ぶこともできる」という“自由”があります。さらには「最上級グレードを選んだとしても、やっぱりアコードより安い」「WSというスポーティな仕様を選ぶこともできる」ということも考えますと――現行型のカムリは「上質だが無駄に高額ではない“4ドアセダン”が欲しい」と考えるユーザーにとって、やはり選択肢の最右翼にくるべき一台です。
ご検討中の方は、そのまま突き進んでも何ら問題ありません。
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