進化&複雑化する自動車テクノロジー、「用語」について考えてみた
掲載 更新 carview! 文:塩見 智
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各社が競って自動運転技術を研究・開発するのは大変けっこうなことで、どんどんやっていただきたい。すでに各社の実験車両がもつ実力は、周囲を認知し、状況を判断し、(運転)操作をするという点において、おおむね実用化が可能なところまできているように思う。
けれど、より精度の高い認知・判断を行うためには、自律型の技術のみならず、道路インフラや車両同士が(通信によって)協調する必要が出てくる。いわゆる路車間通信や車車間通信というやつだ。自動車専用道路ではなく、一般道で自動運転を実現するには、ドライバーが物理的に見通せない部分、すなわち現在はドライバーが経験による“かもしれない運転”によって警戒することで事故を回避している部分での安全を確保しなくてはならず、自律型の技術に路車間や車車間の通信を上乗せして、精度を高めることが欠かせない。
そのためには、たとえばトヨタと日産というメーカーが異なるクルマ同士が車車間通信できなければ意味がないし、交差点などに設置した路車間通信用インフラは、全メーカーが使えるものでなければならない。要するに、用いる電波の周波数やシステムに互換性がないとダメ。つまり、各社は自動運転技術の優秀さを競いながら、いっぽうでは手の内を見せ合い、協調して開発しなければならない部分も多いはずだ。右手で殴り合いながら左手で握手するようなもので、どのメーカーにとっても簡単ではないはずだ。
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