NewBeetle 誕生10周年 “ヴィンテージ”が登場!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:荒川 雅臣
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:荒川 雅臣
聞けばニュービートルは相変わらず北米で年間3万台以上売れているという。日本でも一時期ほどではないが、それなりに売れているそうだ。
その理由が、今回乗ってみて分かった気がした。一瞬、ビートルの代わりにBMWミニが成り代わるとか、あるいはフィアット500が成り代わることがあるように思ったが、それは全くなくはないにせよ、ほとんどはあり得ないだろう。
というのもやはりビートルはビートルで、ミニはミニ、クルマのデザインはもちろん、商品のテイストがあまりに違うからである。この一連のリバイバルというのは、言わばクルマのキャラクター化であると私は考えている。もはやクルマはデザインや機能で冷静に選ぶ時代じゃない。ある種、キャラクター商品のように、存在感で選ぶようになってきているのだ。
それは元々そうだった。例えばトヨタと日産、全く同じスペックのクルマが出たとして、やはり数値に現れない好き嫌いはあったはず。いわゆるこの手の“キャラクターカー”というのはそういう感覚を、引き延ばし、集約させたものだと思うのだ。
事実キャラクターの世界で、ミッキーマウスの代わりに、ドラえもんが成り代わることはないし、アンパンマンがなることもない。要するにこの手のキャラクター商品の世界というのはどんどん拡張し、広がっていくものなのだ。
特にアメリカ市場におけるビートルの地位は特殊である。というのも、あれほど長い歴史を持って愛されたクルマはないし、商品としてもあれほど大胆にデザインにふったものが今だ無く、おっとりとした走り味も独特だからだ。ニュービートルは確実に自分の世界を築いている。
しかも今回のヴィンテージのように、作る側もその楽しさを絶やさぬように努力している。言わばそれはサンリオが北海道限定の“まりもキティ”を作ったり、京都限定の“舞子人力車キティ”を出したりするような努力だ。常に新しいテイストを模索し、作り上げていく姿勢なのだ。
キャラクターというのは、かくもパワフルなものなのである。
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