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今さらですが東京モーターサイクルショーの小ネタ10選

小ネタその3:行くとこまで行っちゃったガンマ

3つめはJAFのコーナーに置いてあった、スズキの「RG500Γ(ガンマ)」です。

RG500ガンマは、1985年に国内発売が開始された、当時のWGP(ロードレース世界選手権)の参戦マシン、RG500シリーズのイメージを色濃く反映した市販マシンでした。エンジンはWGPマシンと同じ、2ストロークの並列2気筒を前後に2つ繋げたスクエア4という、シリンダーを上からみると、正方形に見える形式を採用していました。

レーシングマシンRG500シリーズは、1976年に英国人のバリー・シーン、1982年にイタリア人のフランコ・ウンチーニがWGP500クラスでシリーズチャンピオンを獲得した名マシン。その市販版たるRG500ガンマは、80年代のレーサーレプリカブームをRG250ガンマで別次元に引き上げたスズキが放った最終兵器で、バイクファンの間でも、本当に市販しちゃったのねとつぶやきたくなる、行くとこまで行っちゃった存在だったのでした。

どう考えても面倒そうな吸・排気の取り回しや、熱対策など、プロの手で常に整備されるレーシングマシンと違って、市販車でスクエア4のエンジンを成立させることは、大いなる苦労があったことと思われます。

しかも展示されていたのは、ウォルター・ウルフ・レーシングのスペシャルカラー、いわゆるスズキのライダーとして国内ロードレースで活躍した「東海の暴れん坊」、水谷勝レプリカという、往年のスズキファンにとっては涙ものの逸品なのでした。

何言ってるんだ状態の方にもう少し説明させていただくと、ウォルター・ウルフ・レーシングのカラーリングは、四輪で言えば、カルソニックカラーのスカイラインGT-Rとか、マールボロカラーのマクラーレンF1とか、JPSカラーのロータスヨーロッパみたいなもので、好き者を無条件感涙せしめる存在と考えていただければ納得いただけると思います。

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