ギャランフォルティス増殖 RALLIART&Sportback
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:
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今回ドイツで試乗したスポーツバックは、当然ながら欧州仕様。それだけに搭載エンジンも日本には導入されない2.0リッターのディーゼル仕様となる。ただしエンジンとステアリングの位置以外は、基本的に日本仕様と同じと考えていい。
通常セダンとハッチバックの両方のボディを持つクルマでは、ハッチバックの分が悪い。なぜならハッチゲートを備える分、ボディ開口部が広がるほかに、リアシートを倒してフラットな荷室を作りだすという要件から、リアシート後方の補強もなくなりボディ剛性が低下するからだ。しかしスポーツバックを走らせた限り、そうした感覚は皆無だった。基本的な乗り味はセダンのそれに近く、先にご紹介したランサーラリーアートよりもさらにサスペンションが動いて実にしなやかな感覚を伝える。一般道では優れた乗り心地を実現しつつ、高速道路でも安心感が得られるだけのフラット感を提供してくれたのだ。“しなやかスポーティ”とでも呼びたくなるその走りは、おそらく日本仕様でも味わえるだろう。
またランサーラリーアートの出来から想像すれば、スポーツバックのラリーアートはインプレッサS-GTのライバルとなるのはもちろん、ゴルフGTIなどとも比べることのできるホットハッチになるわけで、スポーツバックの商品性はさらに高まるだろう。しかも今回の試乗車は設計の古いディーゼル搭載車だったが、三菱は10月のパリサロンでアウトランダーに新世代ディーゼル(噂によればMIVECディーゼルだという)を搭載して送り出すという噂がある。そしてこの新世代ディーゼルにツインクラッチSSTを組み合わせるとの噂もあるから、もしこの組み合わせがセダンやスポーツバックにも搭載されれば、実に先進的なメカニズムを備えた個性派モデルの誕生が期待できるのだ。
ベスト・バランス・スポーツといえるラリーアートを筆頭に、より個性重視のスポーツバックの登場、そしてその先にはディーゼルSSTモデル誕生の予感…といった具合で、最近の三菱には将来性の高さをかなり感じる。市販化も間近に迫っている電気自動車『i-MiEV』の存在や、ディーゼルSST搭載車が登場すれば、それこそ三菱はトレンドの中心に位置する日本メーカーの最右翼といえるだろう。
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