サイトトップへ

サイト
トップへ


現在位置: carview! > 編集記事 > コラム > 三菱の不正問題にはまだ続きがあるかもしれない。清水和夫が緊急寄稿

ここから本文です

三菱の不正問題にはまだ続きがあるかもしれない。清水和夫が緊急寄稿

日本の燃費政策にも大きな矛盾がある

ここからは私見になる。燃費を誤魔化して認証を取得するなど、ユーザーや国に対する異常な行為である。そうまでして不正を行なったのは、近年の自動車ビジネスにおいて、燃費が与える影響が甚大なものになっているからではないだろうか。

当然、ユーザーも購買動機の最初に燃費を意識する。その燃費は国土交通省によってカタログ数値として規定され、数値を元にエコカー減税が算出される。私は以前から、日本の燃費政策が愚策であると指摘してきた。最大の問題は欧米が採用するメーカー全体の平均燃費値・CAFE(コーポレート・アベレージ・フューエル・エフィシェンシー)ではなく、車両重量ごとでセグメントするトップランナー方式をとっているからだ。早い話が3トンのSUVでもそのセグメントで燃費トップならご利益があるわけで、クルマを重くしてより楽な重量級セグメントで税制優遇を受けるという愚行が行なわれているわけだ。

この愚策とも思えるエコカー減税をなんとしても取得することが、クルマの販売に大きく影響するとメーカーの経営者は考えている。相川社長以下ボードメンバーは「エンジンの開発部門の担当部長が行った」としているが、VWのディーゼルスキャンダルと同じで、経営者は知らずに部下がやったという責任逃れにしか聞こえてこない。

結果的にだったとはいえ、経営陣が理不尽な燃費競争を後押していたならば、法的責任はなくても社会公益性に対する責任は重い。エンジニアなら近年の燃費競争が「ユーザーのためでもなく、地球環境のためでもない」ことは理解できたはずだ。今日、自動車メーカーは社会や人のためではなく、販売台数ばかり気にする傾向が強い。個人的に気になるのは、全生産台数のうち2/3を購入&販売するお得意さんの日産自動車が、燃費性能をどこまで要求していたのか、ということだ。今後、日産自動車の話も聞いてみたいと思う。

コメントの使い方

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

サイトトップへ

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

関連サービス

メールマガジン メールマガジン