ホンダのテスト車に乗って、自動運転の時代はもう少し先になりそうな予感がした
掲載 更新 carview! 写真:ホンダ技研工業、編集部
掲載 更新 carview! 写真:ホンダ技研工業、編集部
高速道路のような限定された空間でも、自動運転には様々なデバイスや制約が必要になりそう・・・というのを見てきたわけですが、そうなると将来、たとえば画像認識だけで自動運転が可能になる時代はやって来るのかも気になります。今回はその画像認識だけで走行するテストカーにも乗ることが出来ましたよ。
乗ったのはAIによる画像認識技術で、研究所内の一般道に模した道を認識して走る技術。白線が無かったり、消えかかっていたり、白じゃなくて黄色だったり、交差点や停止線があったり、路側帯に線は無く代わりに植木が生えていたりするところを、画像認識だけで「道はたぶんココ!」と認識して走っていくわけです。
画像から道らしい形態やパースを読み取るのはなかなか人間的な感覚(?)が必要ではと察するわけですが、最近はニューラルネットワークによるディープラーニングによって、AIの学習・判断力が急速に高まりつつあり、グーグルの「アルファ碁」が世界最強棋士を破ったように、いつかは視覚情報だけで人間以上にクルマを運転できるだろうとエンジニア氏は言います。
とはいえ現状では、この道路認識に信号を読み取るタスクを加えようと思うと、人間なら地理感覚、通常交差点のどの位置に信号があるか、逆光などでどう見えるかなどからたちどころに認識できるわけですが、AIは地図情報などの併用がマストです。ましてや歩行者や自転車、対向・交差・合流する車両や駐車車両なども入ってくるとなると、レーダーやライダーの併用も必須というのは間違いないでしょう。逆に言えば、複数デバイスで使うにしても、個々のデバイスを鍛えることは有効なんですね。ホンダでは、画像から複数の歩行者の動きや移動方向などを予測するシステムなども、並行して開発が進んでいます。
正確な地図情報=ダイナミックマップも問題です。cmオーダーの精度で三次元情報としてサンプリングされるこのデータは、高速道路のみの情報なら全国でも10ギガ単位で済むという話もありますが、一般道の路地までとなればテラ単位は確実。全国を計測してまわる地図作り作業も膨大な予感がしますが、ダイナミックマップの特性でもある事故や規制や工事といった時々刻々変化する変更情報をネット経由でクルマに取り込むとなると、そのデータ量もすごいことになりそうな気がしました。
・・・というわけで、着実に研究が進むホンダの自動運転技術に感心しつつも、だからこそ自動運転時代までのハードルの高さを改めて認識した今回のイベント。一方でAIをはじめとする技術が急速に進歩しつつあるのもまた事実で、期待と妄想を膨らませつつ見守りたいと思います。(編集T)
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