【中国EVの黒船!?】BYDの第2弾「ドルフィン」はさらに安そう! 日本で何台売れれば成功か考えた
掲載 carview! 文:ピーコックブルー 87
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中国の大手自動車メーカーであるBYDが日本の乗用車市場への参入を発表してからおよそ半年、このほど、コンパクトBEV(電気自動車)のドルフィンに試乗する機会を得ました。
ドルフィンの詳細についてはすでに多くのメディアによって報じられているため、ここでは「実用に足るだけの必要十分なパフォーマンスを持っていた」と述べるにとどめたいと思います。
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一方、筆者が気になるのは、このドルフィンというクルマがいったいどれほど売れるのか、という点です。さらに言えば、どれほど売れれば「成功」と言えるのかという点です。
BYDの担当者は「目標販売台数はあえて設定していない」としているなかで、「成功ライン」を独自に検証してみました。
<今年1月に発売されたBYDの第1弾モデル・ATTO3(アットスリー)>
自動車市場としての日本を見ると、およそ9割を日系自動車メーカーのクルマが占める「輸入車不毛の地」です。
さらにいえば、BEVの普及率も諸外国に比べて低く、輸入車のBEVには過酷な市場であると言うことができます。
日本自動車輸入組合(JAIA)によれば、2022年度の輸入BEVの販売台数は1万6464台であったといいます。各メーカーがラインナップを増やしたこともあって前年比65%増となっていますが、日本市場全体から見ればわずか0.4%程度にすぎません。
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輸入BEVにおいて5%のシェアを目指した場合、年間目標販売台数は約800台となります。これはステランティスジャパンのブランド、「DS」の年間販売台数にほぼ匹敵する数字です。
あるいは、ドルフィンは輸入BEVのなかでも最も安価なモデルとなる可能性が高いことを考えると、その倍の約1600台程度を目指せるかもしれません。これは、同じステランティスのアルファロメオの販売台数とほぼ同等です。
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BYDのディーラーネットワークは、すでに47拠点での開業が決定しているといいます。年間1600台を目標とした場合、1店舗あたり月に3台程度を販売することになりますが、これは非現実的な数字ではありません。
また、BYDの2023年1月~8月までの登録台数は744台となっています。このほとんどはすでに販売中のアット3と思われますが、年間1000~1200台ペースと考えると、十分に健闘している数字と言えそうです。
ドルフィンは、440万円という価格のアット3よりもさらに低い価格帯で登場することが確実なことに加え、今後ディーラーネットワークも拡充していくと考えると、少なくとも1600台は超えなければならないラインと言えそうです。
ただ、1600台という目標は、あくまでドルフィンを「輸入車」として見た場合のものです。
一方、ドルフィンの予想される価格帯や立ち位置を考えると、国産EVと競合することも十分考えられます。
日本自動車販売協会連合会(JADA)によれば、2022年度の国産BEV販売台数(乗用車のみ)は1万9129台と輸入BEVとほぼ同等です。
国産/輸入BEVを合わせた3万5593台の10%を目標とした場合、およそ3600台がドルフィンの次のターゲットと考えることができます。
もちろん、BEV市場は年々拡大傾向にあるため、「10%ライン」は今後さらに上昇していくことは確実です。
とはいえ、今年度に関して言えば、1600台が「合格ライン」、3600台が「成功ライン」と考えてよさそうです。
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ドルフィンは、まぎれもない「輸入車」でありながら、さまざまな部分で国産車と近しい部分も多く、ある意味でまったく新しいカテゴリーのクルマです。
たとえば、ベースグレードであっても、ビーガンレザーによるシートや前席パワーシートが標準装備となっていることなどは、一般的な国産コンパクトカーには見られない点です。
一方、右ウィンカーを採用したり全高を1550mmに調整したりしている点は、まるで国産車のようです。
<写真:ドルフィンのウインカーレバーは国産車と同じ右側に配置>
また、生産拠点から物理的に近いこともあり、納期は1か月程度になる見込みと言います。このように考えると、ドルフィンはこれまでの輸入車と同じ視点では語れないクルマということができそうです。
ちなみに、かつて右ウィンカーを採用した輸入車はほとんどヒットしていません。ウィンカーの位置だけが問題というわけではありませんが、国産車らしさも備えたドルフィンなら、その「ジンクス」を打ち破ってくれるかもしれません。
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写真:PBKK
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