スズキの新たな挑戦!キザシの進む道は?
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:篠原 晃一、スズキ株式会社
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:篠原 晃一、スズキ株式会社
既にご存知のように昨年末、スズキはVWと提携を発表した。もっともこれによって商品ラインナップがどうなるかまでは言及されていないが、奇しくもVWにはほぼ同じポジショニングを持つ1台が既に存在する。ゴルフのセダン版である「ジェッタ」がそれだ。
ジェッタはもちろんゴルフをベースとしており、ゴルフがVからVIへと進化したことを受け、おそらくそう遠くない将来にゴルフVIベースへと生まれ変わるだろう。ちなみにジェッタは現行モデルでも十分に優れた仕上がりを持っている。キザシも確かに優れた仕上がりで日本車の中ではバランスの良いクルマといえるが、ではジェッタと比べるとどうか? と考えると、長い歴史と伝統はもちろん先進性に秀でたVWには届かないのが本音だ。
果たしてこの先、商品ラインナップにおいても共有化が図られると、ジェッタとキザシの2台は必要ではない、と判断される可能性もでてくる。
ただそれでもスズキおよびキザシには、VWおよびジェッタに比べて、ドライバーをより楽しく気持ちよくさせる走りの要素があるのも事実。この辺りを上手く活かしていけるかどうかが今後の注目点でもある。
こんな具合でキザシは、実に運命に翻弄され続けている。だが、スズキは確かに夢を実現したし、世界に出て行こうとするに相応しい内容のクルマを構築できた。だからキザシに乗って思うのは、運命がいかなるものかは誰にも判らないものの、意志や想いを強く持てば夢や願いは叶う、こうした厳しい時代であっても、という勇気だ。果たして今後、キザシがどんな運命を辿るかは判らないが、ここで行われた意志の具現は必ずや今後のプロダクトに活かされるだろう。いや、活かして欲しいと僕は願うのだ。
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