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スズキの新たな挑戦!キザシの進む道は?

キザシ誕生までの紆余屈折

そして2008年に開催されたニューヨークショーでは「コンセプト・キザシ3」を発表し、着実に夢は現実に向かっていた。

だが、そんなキザシのプロジェクトに、さらに不運が牙を向くことになる。誰もが知るように2008年後半に起こったリーマン・ショックに端を発する経済危機は、自動車メーカーに大きな試練を与えた。そしてそれはスズキにとっても例外ではなかった。前社長である津田氏は健康上の理由から社長を辞任。鈴木修会長が再びスズキの指揮をとることとなった。そしてこの時、キザシのプロジェクトには冷酷にも開発中止が通達されたという新聞報道もあった。しかし、キザシのチーフエンジニアである神代英俊氏らは、社長に開発の継続を直訴したようだ。

キザシは当初の開発時には、セダン/ワゴンと2つのボディを用意しており、搭載エンジンも2.4リッター/3.6リッターの2本立てだった。だが開発の継続とバーターされるように、ワゴンが中止されると同時に3.6リッターエンジンもお蔵入りとなったのだ。

販売のメインは北米市場。この辺りの事情も含め、セダン&2.4リッターという組み合わせのみが生き残った。そして昨年の東京モーターショーにおいて、サプライズ的にワールドプレミアされたのだった。ただし、先の事情も関係してか、日本では受注生産という形をとらざるを得なかったようだ。

とはいえ、エンジニアたちは見事にキザシを現実のものにした。それは多くのスズキのエンジニアたちの夢が実現した瞬間でもあった。

と、こんな具合で誕生前のドラマを知れば、キザシがいかに気合いの入った製品であるかは理解できたはずだ。では実際に見て触れて乗ってみてどうだったのか?

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