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Eクラスクーペ海外試乗 清水和夫の一押しは?

本命は1.8リッターの直噴ターボ

新型Eクーペのステアリングを握ってメルセデス本社があるシュツットガルト周辺をドライブした。まず試乗車のスペックから紹介しよう。エンジンは5.5リッターV8と3.5リッターV6をテストした。V6は最新のガソリン直噴のCGIだ。直噴V6はパワーが292psでトルクが365Nm。従来型V6と比べるとトルクで15Nm高まっているが、燃費でも直噴が有利だ。

ドライブしてみると、アイドルでカチカチとインジェクターの音がするくらいで従来のV6との違いはあまり感じられない。ギアボックスは7速トルコンATだ。エンジンとATがもたらすスムースな加速感こそ、メルセデスの高級らしさなのである。

5.5リッターのV8はどうか? このエンジンはある意味で新鮮だ。というのも、このコンパクトなボディにV8を組み合わせるのが、とても贅沢な感覚を生むからだ。洗練されたEクーペのシャシーとV8の組み合わせは極上の味わいを持っていた。

試乗は叶わなかったが、Eクラスのセダンで味わった4気筒1.8リッター直噴ターボがEクーペに搭載されて日本に上陸するらしい。実はこのエンジンは今後メルセデスにとっても極めて重要なエンジンなのである。というのはメルセデスとしては初めてのダウンサイジング・エンジンだからだ。

ちょうどVWゴルフのTSIエンジンに似ている。Eクラスに4気筒と聞いただけでも格安エンジンと思ってしまうが、最大トルクは310Nmもあるので、3リッターV6エンジン以上のトルクを低い回転数で得ることができる。つまり、このエンジンならEクラスとしての力強さと品格も充分であるが、燃費はV6エンジン以上に優れている。5速トルコンATと組み合わされるので、購入価格も割安感があるだろう。

まだEクーペと1.8リッター直噴ターボの組み合わせは試してないが、Eクラス(セダン)よりも軽量でコンパクトなクーペボディにはうってつけのエンジンではないだろうか。

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