アウディA4試乗。新型ターボはダウンサイズから次の段階へ進化する
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:篠原 晃一
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車体と同じぐらい革新的なのが新開発のターボエンジンだ。従来からの2Lターボ「2.0 TFSI」は日本ではクワトロ(AWD)に搭載され、最高出力252ps、最大トルク370Nmを発生する。軽い車体のおかげで0-100km/h加速は5.8秒と鋭い。一方、廉価版のFFモデルには最高出力190ps、最大トルク320Nmの新開発ターボエンジンが搭載される。0-100km/h加速は7.3秒。パフォーマンスだけを見ると、クワトロは高性能ターボ、FWDはスタンダードなターボと思えるが、実は違う。2015年にウイーンで開催されたエンジン・シンポジウムで披露された190ps版のエンジンこそが、アウディのエンジン技術の目玉なのである。
細かくスペックを見てみよう。最大の特徴はアウディが通称「Bサイクル」と呼ぶ、ターボでも吸気バルブを早く閉じるアトキンソンサイクルを採用したことだ。その結果、アトキンソンサイクルの特徴である高い膨張比と、過給エンジンでは異例に高い11.4という圧縮比を実現している。また、直噴方式に加えて、低負荷ではポート噴射方式(従来型のエンジンが使う吸気ポートに燃料を吹く方式)を併用するハイブリッド噴射システムを持っている。
このエンジンは低負荷域では自然吸気エンジンのように高圧縮で走るが、2500回転くらいからはターボを効かせて出力を得る。圧縮が高いので低負荷でのスロットルレスポンスが良いのが特徴だろう。あくまでも日本のJC08モードの公表燃費だが、252ps版の15.5km/Lに対して、190ps版は18.4km/Lと優秀だ。最高出力さえガマンすれば2LターボでもCO2換算でディーゼルなみの環境性能が得られるのだ。そもそも最高出力はアウトバーンのような最高速度に関係するのだが、日本では0-50m加速のほうが現実的。その意味では低負荷域で自然吸気のようにスロットルレスポンスがよい新エンジンのほうが使いやすいのではないだろうか。
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