アバルト500に試乗!ガソリンが底を尽くまで
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
アバルト500は、アバルト・グランデプントには採用されていないTTC(トルク・トランスファー・コントロール)と呼ばれる機構を備える。これは横滑り防止装置ESPの付加機能で、コーナリング時に内輪の空転をブレーキで制御してLSDの効果を与える疑似LSD機構だ。実際に雨の日などはこれをオンにすると確かに、内輪空転が抑えられ駆動が制御されることを交差点ですら感じられる。
また新たにメーター横に備えられたシフトアップ・インジケーターは、スポーツモード時は最高のパフォーマンスを引き出すタイミングで指示が出る一方、通常時は燃費消費を抑えるタイミングで指示が出るあたりもトレンドを上手く押さえた装備だ。
今回の試乗ステージは、富士スピードウェイのショートコース。まさにアバルト500にうってつけの舞台だ。早速ダッシュボード上のスポーツボタンを押し、コースへと入る。スポーツボタンを押すことで電動パワステの操舵力は重めかつダイレクト感が増し、エンジンは最大トルクが18.5kg-mから20.5kg-mへと性能アップが図られる。そしてESPも制御が変わる。
1110kgという車両重量に対し、135ps/20.5kg-mは想像以上にパワフルな加速を生む。事実0-100km/h加速は同じエンジンを積むアバルト・グランデプントよりも、アルファロメオ・ミトよりも速い(!)のだから、これを痛快と言わずして何が痛快か! といえるだけの超・気持ちよく楽しい加速が存分に味わえる。しかもこの加速、不思議とドライバーを虜にする。いや絶対的にはもっと速いクルマはたくさんあるが、アバルト500はドライバーに速さと同時に“熱さ”を提供するから、ついついこちらも頭の中の面倒事をすべて忘れて、「イケーっ!」という感じで夢中になってしまう、なれてしまう、のだ。しかもニクイことに、お楽しみはまだまだこれからなのだ。
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