アバルト・グランデプント、ほとんど天才的!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:小林 俊樹
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結局のところ、人でもクルマでも大事なのは、ある種の“ツボ”を押さえることだと思う。本当にカッコいい、本当に速い、本当に能力が高い、そういうのも 確かに重要だ。ところが、日々の生活ではそんなのどうでもよくなる部分がある。それより毎日のワクワク感、高揚感が大切で、それは案外色合いだったり、音楽だったり、言葉遣いに左右されたりするのだ。
そこでこのアバルト・グランデプントだが、コイツに乗るとなぜかワクワクする。普通に大人が5人乗れ、荷物もそこそこ載る実用的なクルマだが、なぜか楽 しく移動できる気がする。冷静に見るとVWゴルフの方が質感が高いし、日本車の方が機能的で安いとは思うが、コチラの方が、乗ると楽しいし、気分が盛り上がるのだ。だいたい、見るだけで「ちょっと乗ってみたい」と思わせるから凄い。これは私の昔からの持論だが、クルマは非常に性的なもの、つまりセクシーなシロモノである。機能やスペック以上にそれを凌駕する“匂い”があり、そこをイタリア人はよく分かっている。中でもアバルトブランドは本質的にクルマを楽しく見せるのが上手で、実はクルマ好きの心理、人間の心理を深く理解してるんじゃないかと思う。
今のクルマではなぜか物足りない人、もうちょっとクルマを楽しみたい人、かといって大金を払ってスポーツカー系のセカンドカーを買えないような人に是非 このアバルト・グランデプントを試して欲しい。スペックや機能だけでは分からないクルマの楽しさ、それを分かってもらえるんじゃないでしょうか。人もクルマも雰囲気が大事。センスが一番重要なんですよ!
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