STI渾身のR205、SからRで走りが変わった!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一、株式会社SUBARU
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一、株式会社SUBARU
試乗の舞台となったのは伊豆のサイクルスポーツセンター。1周約5kmのコースには大小様々な曲率のコーナーがあり、急勾配もある。クルマにとってもドライバーにとってもタフなコースだ。しかも試乗日は生憎の雨。気温も低く、いつ雨が雪に変わってもおかしくないほど。つまりタイヤ温度も上がらずグリップも低い。だが、世界でもっともタフなコースとして知られるニュルブルクリンクで鍛え上げられたR205は、このトリッキーな状況をものともせず、素晴らしい走りをみせてくれたのだった。
コースインして最初のコーナーで感じたのはステアリングの正確性だ。切り始めから遅れなく反応し、しかも抜群にスムース。ちょっと切っただけでピッと曲がるような味付けではなく、あくまでドライバーの意図に忠実な動きを見せてくれる。だから必要とされる修正舵が少なく、狙ったラインをドンピシャにトレースしてくれるのだ。限界のはるか以前の領域でも、R205は奥深く気持ちのいいハンドリングを味わわせてくれるのである。
慣熟走行がてらゆっくりとコースを一周し、ストレートに出たところで2リッターのボクサー4エンジンに鞭を入れた。専用ターボチャージャーによってベース車比12psアップを果たしたスペックもさることながら、もっとも感動したのはフィーリングの部分だ。ボールベアリングを使ったターボは過給の立ち上がりが素早く、ターボ車にありがちな“待たされ感”がほとんどない。
アクセルを踏み込むと即座に力強い駆動力が発生し、乾いたサウンドをともなって8000回転まで一気に回る。8000回転まで回しても粗っぽい振動がなく、文字通り一気に吹け上がるのはフラット4ならでは。ベース車も基本的には同様の特性をもっているが、R205のほうがより力強く、より洗練されているのだ。そして、ストレートを抜けツイスティーなセクションへと入っていくと、そんな印象はさらに強まったのだった。
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