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モータージャーナリストと名乗るのを躊躇させるのは一体なんなのか?

モータージャーナリストと名乗るのを躊躇させるのは一体なんなのか?

イラスト:いらすとや

業界の空気を読まず直球でメディアに発表できるか?

あなたがジャーナリストという単語にどういうイメージを持っているかは知らないが、筆者がイメージするのはこうだ。

「自身の強烈な興味あるいは使命感に基づき、あちこちを表玄関から正々堂々と、ときに裏口から隠密に取材して回る者。そしてその成果を、業界とか広告宣伝部とかの空気を読まずにド直球でメディアに発表する人(そしてもちろん、その成果物を世に広く流布させるだけの実力を有している人)」

これである。こうした活動を継続してこそ、そしてたまにCIAとか反社勢力とかに命を狙われてこそ(?)、「吾輩はジャーナリストである」と公に名乗ることが許されるのだと、少なくとも筆者はイメージしている。

ひるがえって私の「取材活動」はどうだろうか?

過日、某ニューモデルの試乗を行い、それに関する解説原稿を執筆した。

が、試乗車両とそのガソリン代およびその他諸経費は完全に自動車メーカー持ちである。私は1銭も身銭を切っていない。試乗会は昼時であったが、そこでメーカー側が用意してくれた無料の昼食に手を付けるのは、私の脳内にある「理想のジャーナリスト像」に著しく反する。だが腹が減ったため、結局はいただいた。理想は食欲に完敗した。

それでも、その車に関してはシビアなことを書かせていただいた。だが、そのシビアさをもって「これぞジャーナリズムである」などと胸を張るつもりはない。

もちろん、被取材者側から取材にまつわるモロモロの面倒をほぼすべて見てもらっても、それはそれとして、完全に自立した批評精神を発揮できる人も世の中にはいらっしゃるのだろう。それはそれでOKだ。

だがあいにく私には、それを完璧に発揮できる自信がないのである。だから私は「ジャーナリスト」とは名乗らない。

そしてもうひとつ。

被取材者側が用意してくれるモノを主たる取材対象としているくせに「ジャーナリストでございます」とやるのは、私がイメージする真のジャーナリスト、つまり本当の意味で自力での取材活動に励んでおられる各位に対してあまりにも申し訳ないと、本気で思っているからだ。

(ジャーナリストコラム 文:伊達軍曹)
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伊達軍曹(だて ぐんそう):自動車コラムニスト
外資系消費財メーカー勤務を経て自動車メディア業界に転身。「IMPORTカーセンサー」編集デスクなどを歴任後、独自の着眼点から自動車にまつわるあれこれを論じる異色コラムニストとして、大手メディア多数で活動中。

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