スペーシア カスタムのオススメグレードは?
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:小林 俊樹
標準モデルのスペーシアは内装色がブラウンとベージュのコンビネーションで暖かみのある空間を演出していたが、カスタムはブラックを用いることで、引き締まった印象を与える。インパネやシートの基本設計は同じだが、色と素材が若干異なり、ナビ周りやドアの内張りにあしらわれたピアノブラック調のパネルが目を惹く。さらに、エアコンの吹出口とステアリングの艶を抑えたシルバーのパーツがインパネ周りに洗練された表情を与えている。
もちろん、リヤハッチの大開口部と室内高を生かして収納力も万全だ。後席をダイブダウンして現れるフラットな床面は、27インチのママチャリを積み込むこともできて、子供の塾のお迎えなんかにも使える優れモノだ。また、助手席座面下のバケツトレー、インパネ上部やドア内張りに備え付けられた数多くのドリンクホルダーの他にも、ティッシュボックスホルダー付きのグローブボックス、小物が置けるトレー、インパネセンター下部の収納に加えて、中間グレードのXS以上には、これまたもう一つティッシュBOXが収まるオーバーヘッドコンソールも設定される。また、ロールサンシェイドも採用されて、照りつける日差しを遮る工夫も。
こうした装備は子育て層だけでなく、大人でもどう使おうかと想像が膨らむ。機能性を全面に押し出すと雑然としがちだが、全体のトーンが抑えられていることで、自然な形で備え付けられているのもいい。また、快適性を重視するユーザーにとって、落ち着いて身体を預けられるシートも特筆すべきポイントだろう。座った時の質感が軽の域を超えているのは、すでにパレットから定評があったが、スペーシアのものは、座面と背もたれが大きくとられて、コシのあるクッションが腰回りをしっかりと支えてくれる。
後席は荷物を積む際に左右独立式でアレンジできるダイブダウン式になっていて、170mmの前後スライドが可能。5段階でリクライニングもできる。自慢の両側スライドドアは開口部が広く切り取られていて、低い地上高にある床面は自然な姿勢でシートに腰を落とせるほか、柱部分にハンドグリップもあるので、乗り降りの負担が少ない。また、電動スライドドアも加わって、運転席側のスイッチで開閉できる。雨の日に大荷物を抱えてクルマに乗り込もうとする家族が傘をたたむ間に、ドアを開けておいてあげるなんていう気遣いをしてあげられるのも嬉しい。先回りした配慮が日常的なシーンを豊かにしてくれるのが目に浮かぶ。
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