最後のランエボにサーキットで試乗。煮詰められたドライバビリティ
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:菊池 貴之
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路面は滑りやすかったが、最終進化型のランサーエボリューションはドライバーとクルマの対話がじつにしやすく、次第に攻めの気分が盛り上がっていった。タイトコーナーへ多少オーバースピード気味に入っても、行きたい方向へステアリングを向けて少し待ってあげれば面白いように向きがかわっていく。そこからアクセルを踏み込めば4つのタイヤの能力をフルに引き出して前へ前へとクルマを推し進める。
4輪の駆動力&制御力を統合制御するS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)は「TARMAC(主にドライ)」「GRAVEL(主にウエットやダート)」「SNOW(主に雪道)」と3つのモードがあり、いろいろと切り替えながら走ったが、「GRAVEL」あたりだと安心感が高い。今回のコースはフルブレーキの後に下りの中速コーナーへ突入する場面があるのだが、アプローチで姿勢が程よく安定してくれるからだ。
ただし、登りセクションで曲がりながら加速していく場面では「TARMAC」のほうが狙ったラインをトレースしながら躊躇なくアクセルを踏んでいける。「SNOW」も悪くはなく、トラクションも強大で面白いが、アクセルオンでのプッシュが大きい。
ASC(横滑り防止装置)のオフスイッチも付いていて長押しすればAYCのブレーキ制御も解除される。これはこれで慣れれば自在感が増して楽しい。とはいえ、悪コンディションの中、安心と楽しさのバランスをとるなら、AYCだけ解除のオフスイッチ短押しというのがいいようだ。もっともこれはコースの状況やドライビングスキル、好みなどがあるので、どれがいいと一概には言いにくいが、操縦性を変えられるというのは間違いなく大きな価値がある。
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