新型エンジンで燃費UP 三菱 RVRを再評価!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
燃費改善の大きな柱となる技術が新MIVECだ。4B10型は吸排気バルブに連続位相可変機構を組み込んだDOHCだったが、4J10型は連続位相可変機構に加え、吸気側バルブに連続可変リフト機構を組み込んだSOHCになった。連続可変リフト機構とは、BMWがバルブトロニックとして、トヨタがバルブマチックとして、日産がVVELとしてすでに実用化しているが、SOHCでの採用は今回が初。軽量&コンパクト&シンプルでありながら、スロットルバルブの介在によるポンピングロスの低減やEGRの廃止など、燃費やコスト面でのメリットを享受できるのがポイントだ。
実はここに、ミツビシのしたたかな戦略がある。最近流行のガソリン直噴エンジンは高圧インジェクターのコストが高く、また比較的高い燃料品質を要求するため、今後爆発的な市場拡大が予想される途上国への輸出には向かない。さらに近い将来には排ガス中の粒子状物質に対する規制が導入される予定で、後処理装置を付けるとなるとさらにコストが嵩む可能性がある。もちろん、コストの観点でいけばハイブリッドにも盲点がある。
その点、連続位相可変機構は燃料品質に寛容で、SOHCはDOHCと比べてコスト的にもさらに有利。また、86mm×77.4mmというショートストローク設定は、今後このエンジンをベースにロングストローク化を図った2Lや2.4Lが登場してくることを示唆している。
つまり、この燃費時代において、約120万台/年という中規模メーカーであるミツビシが新興国市場を視野に入れたグローバルビジネスを展開していくための現実案が、直噴でもなければハイブリッドでもない「4J10型」ということだ。
実際に乗ってみると、低中速トルクが若干太くなったかなという印象はあるものの、エンジンの印象に大きな変化はない。ただ、CVTの制御が洗練度を増した結果、より人間の感性に近い自然な走りをするようになっていたのが印象的だった。CVTとは初の組み合わせとなるアイドルストップシステムも非常に洗練された仕上がり。とくにエンジン再始動時の反応のよさとスムースさには驚かされた。
シャシー関係の改良はダンパーの減衰力特性の変更と電動パワーステアリングの特性変更にとどまっているが、RVRの特徴であるしなやかな足回りが生みだす高い快適性と優れた高速安定性はそのままに、高速走行時のフラット感、コーナーでのリアルな手応えが増した。「1.8E」を除くグレードにESCが標準装備されたのも朗報だ。
デザインを大きくスポイルする補助ミラーが依然として残っていることや、欧州で販売しているクリーンディーゼルの設定がないことなど、いくつか不満が残るのは事実だが、できるだけコストをかけずに燃費を改善しようという試みは大いに評価したい。RVRはミツビシらしい、とても真面目につくられたSUVであり、今回の新エンジンによって、その魅力にはさらに磨きがかかった。
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