R8・イン・サーキット Sトロニック搭載の走り
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
ところで、ボクはSトロニック採用による乗り味の成熟だけなら2ページ目で“予想を超える進化”などと書きはしない。アウディが長年進化させてきたダンピングシステム「マグネティックライド」の進化に感動レベルで驚いたのだ。
その凄さの例として、雨にも関わらずスポーツボタンを押した方が運転し易く、速かったことを挙げたい。Sトロニックと最新バージョンのマグネティックライドのおかげで自由自在にR8を走らせることができた。
実は以前、ガヤルドとR8を走らせたcarview!動画で、R8はスポーツボタンを押すと足回りが硬くなり突っ張り感によるグリップ低下が起きるので、雨の日はボタンは押さずにノーマルで走るのが良いと述べたことがある。しかし、最新のR8は違う。確かにスポーツボタンを押すと、足回りの動きには若干硬さが出る。しかし、その硬さが絶妙で、操作には鋭く反応するのに突っ張らない。
例えるのが難しいが、通常のクルマのノーマルモードをあるところで崩れてしまうプリン、スポーツモードを木材の様な若干の柔らかさはあるが突っ張り感もあるモノとしよう。
一方、最新マグネティックライドを採用したR8は、ノーマルは常温のコンニャクで、スポーツモードは冷やしたコンニャクというイメージだ。当たりは柔らかいままなのに芯がある。上手く伝わったか不安だが、このマグネティックライドの乗り味は強くお勧めできるし、熟成レベルが高い。
他にも冷却効果を高めつつ一輪あたり500gの軽量化を果たす波形ブレーキローターの採用など、従来から持つ超高回転型エンジンの官能的かつ扱い易い魅力などはそのままに、魅力の底上げを果たしたR8。以前は操作感が世界一気持ち良い6速MTを搭載するV8をベストグレードにしていたが、今回から6速MTはV10でも選べるようになったし、Sトロニックの乗り味も捨てがたい。新しいR8はベストグレードを決めあぐねてしまうほど、どれも魅力的だ!
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