3000億円の価値があるのか? トヨタが作った日本版ニュルを見て思うこと
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:小沢 コージ
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その目玉が「日本版ニュル」とも言われる全長5.3kmの第3周回路。世界で最も過酷と言われるドイツのサーキット「ニュルブルクリンク」を模したもので、ここでいかに厳しく、実践的なテストができるかが問題です。
実際に小沢も新型「スープラ」で走ってみましたが、まず驚いたのは大小複雑でクネクネなコーナーの曲がりっぷり。左に行ったかと思ったらすぐ右に曲がるS字コーナーや、30Rの低速ヘアピンコーナー、300Rの高速コーナーも存在します。
圧巻はアップダウン度で、今までのテストコースではあり得なかった急勾配の登り道と下り道があります。トップドライバーなら完全にクルマがジャンプしてしまう場所もあり、ここでかかる上下G(加速度)は「ニュルと変わらないレベル」と実験ドライバーは言います。オーバースピードで飛び出した時のエスケープゾーンの道も現実の高速道さながら。リアルに恐怖が迫って来ます。
もちろんまったくニュルと同じかというと路面の荒さやデコボコ感、長距離度では敵いません。高低差やスケールは過酷なニュルブルクリンク北コースのざっくり4分の1。しかし日本のクルマ作りとしては物凄い進化なのです。
というのも、日本ではルール上一部を除いて時速100km以上で走っていけないことになっています。警察に言わせれば「200km/hでのコーナリング性能? 使わないでしょ?」となるでしょうし、近所を軽自動車でしか走らない奥様方にも「そんな性能いらないし、3000億円かけるんだったらその分安くしてよ」と言う人までいるかもしれません。
しかし、それはあまりに視野が狭い。日本はドイツほど高速で走れる場所はありませんが、一部走っている人が現実にいるのと、悪天候での走行、例えば雪になれば路面は滑りやすくなり、ハイスピード走行と同程度のリスクを背負うことになります。
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