【実は価格も互角以上!】新型「センチュリー」秘話。ベントレー「ベンテイガ」も驚く特殊な骨格とは?
掲載 carview! 文:編集部 82
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トヨタ自動車が今月発表し、年内の発売を明らかにした新型「センチュリー」(ここでは区別するためセダンをセンチュリー(セダン)と呼ぶ)。伝統の車名を冠し、マスコットの鳳凰を随所にあしらったこのプラグインハイブリッドSUVは、併売される既存のセンチュリー(セダン)とともに、トヨタのショーファーカーラインナップで頂点を担うこととなる。
より正確にいえば、センチュリー(セダン)の2008万円に対し、センチュリーは2500万円(スタート価格)と圧倒的に高価だから、トヨタブランドの新しいフラッグシップが登場したと言っていい。そこで今回は、ライバル比較なども含めてセンチュリーをじっくり観察してみたい。
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まず、新型センチュリーのパワートレーンは、3.5L V6ガソリンエンジン(262ps/335Nm)に、前(182ps/270Nm)、後(109ps/169Nm)のモーターを組み合わせたもので、システム全体では412psを発生。駆動方式は電気式4輪駆動方式となる。セダンをベースに作られたSUVではなく、プラットフォームはまったくの別モノなのだ。
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なお、要となるエンジンは先代レクサス「RX450h」にも搭載されていたものと基本共通だが、組み合わされる前後モーターはセンチュリーの方が格段に強力だ。
搭載されるバッテリーは51Ahの容量で、EV走行距離は69kmとアナウンス。充電方式は普通充電のみに対応し、200V/30A電源を使用した場合、約3時間30分で満充電が可能とのことだ。なお、このバッテリーはレジャーや非常時などの外部給電にも対応している。
センチュリーでレジャーは奇異に聞こえるかもしれないが、公式サイトのギャラリーを見るとファミリーユースも想定しているようだから(センチュリーセダンのギャラリーにこうした要素は皆無)、トヨタとしては富裕層のオーナーカーとしても売りたいのだろう。
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一番の注目点であるインテリアは、このカテゴリーに先鞭を付けた外国ブランドにはない新機軸が盛りだくさん。リアシートにはトヨタが世界初をうたうフルフラット機構が奢られており、オーナーは完全に横になって睡眠を取ることができる。
また、乗降の利便性を高めるため、リアドアには通常の横開き式に加えオプションでスライド式も設定(※写真40枚目)。このあたりは、アルファード/ヴェルファイアに乗り慣れたオーナーの上級移行を狙っているのだろう。
さらに、静粛性を高めるため、リヤサスペンション取り付け部に「ラゲージルームセパレーター骨格」を結合。室内側には遮音機能付クリア合わせガラスを採用して、ショーファーカーにふさわしい空間としている。
<写真:センチュリーの後席空間>
つまり、一見ワゴンのようなスタイルだが、キャビンは完全に荷室と独立しているわけで、この辺りは一見似たようなシルエットをもつロールス・ロイスの「カリナン」や、ベントレー「ベンテイガ」よりも突き詰められているとすら言えるだろう。
<写真:センチュリーの荷室。ラゲージルームセパレーター骨格や遮音機能付きガラスで、キャビンと完全にセパレートされている>
では、センチュリーのライバルはと言うと、ベントレー「ベンテイガハイブリッド」で決まり。何しろこの両者、ボディサイズ(センチュリー:全長5,205mm×全幅1,990mm×全高1,805mm、ベンテイガ:同5,125mm×1,995mm×1,740mm)や、V6エンジンを肝としたハイブリッドパワートレーンの最高出力(センチュリー:412ps、ベンテイガ:449ps)など非常に似通っているのだ。
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<写真:ベントレー ベンテイガ(ハイブリッドモデル ※英国仕様)>
しかも車両価格はセンチュリーの2500万円に対し、ベンテイガハイブリッドは2450万8000円と、センチュリーの方がわずかに高い。似たようなカテゴリーに属する海外の超高級車メーカーに対し、日本車がその上を行く価格で真っ向勝負するのはこれが初めてではないだろうか。
内外装のテイストは、重厚感を強調したセンチュリーに対し、ベンテイガハイブリッドはスポーティー路線なので一概に優劣は付けられないが、ここはプラグインハイブリッド機構を備えていること、そして何より日本のクルマ好きとして、ニッポンの心が詰まったセンチュリーを推したいところだ。
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写真:トヨタ、ベントレー、市 健治
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