ランボルギーニの名車ミウラやカウンタックの歴史がサラリと読める、クラシックカーイベント探訪記
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:(c)2018 Automobili Lamborghini S.p.A. 、Takumi Yoshida
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:(c)2018 Automobili Lamborghini S.p.A. 、Takumi Yoshida
イギリスのローバーというと、一般的にはミニおよびランドローバー、レンジローバーのブランド名として知られているが、もともとは上質な中型車を生み出すメーカーだった。そのなかでも傑作といわれるのが、1963年発表のコードネームP6、車名ローバー2000なる4ドアサルーンだった。2リッター4気筒エンジンと凝ったサスペンションを持つこのクルマ、イギリスの知的なアッパーミドル層に好評をもって受け容れられたが、それをベースにザガートがデザインした2+2座の2ドアクーペが、TCZである。
車名のTCは高性能版のツインキャブレター仕様を意味し、最後のZがZagatoを示している。同じくザガートのデザインになる同時代のランチアフルヴィアスポルトや、1969年に世に出るアルファロメオジュニアZにも通じるウインドウラインを持つボディは個性的で、今見るとチャーミングだが、このザガートによるプロポーザルはローバーに採用されることなく、この1台だけがプロトタイプとして作られたにとどまった。そういう意味では、今回の展示車のなかでも最もレアなクルマのひとつだといっていい。
※正式表記は:1967 Rover TCZ
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