スポーツカー親爺から ニューZへ、愛のムチ!
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:小林 俊樹
というわけでニューフェアレディZ、走る、曲がる、止まる、に関しては、このプライスレンジの日常的に使えるスポーツカーとしては、なかなかいいレベルにある。そういう意味で、先代のZ33を大きく超えているのは間違いない。しかし、だからといって僕が新型Zを手放しで絶賛する気になれないのは、走る、曲がる、止まる、それと引き締まったスタイリング以外のところで、鮮烈な魅力を感じ取れなかったからだ。
例えば6段MTのギアシフト。これも先代より確実によくなっているが、まだギアが噛み込むあたりのタッチに軽い引っ掛かりを感じて、シフト操作を「悦び」と表現できるレベルにはない。僕の経験からいうと、シフトノブをもう少し重くしたら感触がもっとスムーズになるのではないかと思うのだが、どうだろうか・・・。それと、シフトダウン時にクルマが勝手にエンジンをブリッピングしてくれる「シンクロレブコントロール」、せっかくMTを選ぶ好き者には余計なお世話のような気もするが、シフトレバー根元のスイッチで機能をオフすることも出来るので、運転に疲れたときだけ使う手もある。
ところで、フェラーリのF1システムやポルシェのPDKなど、MTより速く走れる2ペダルが数多く出現している今、MTは速さのためではなく、それを操作したいから選ぶアイテムになっている。だから、心から気持ちいいと思えるMTがますます望まれるはずだ。それに引き換え、新開発の7段ATは、いい出来に思えた。ロックアップ領域が広いので動力性能や燃費に有利だし、変速はスムーズで、パドルを駆使してのマニュアルシフトも素早くて歯切れがいい。僕がMTよりもATをオススメする理由である。
先に書いた乗り心地やギアシフトの感触を含んで、Z34はクルマ全体がなにやらドライな印象で、僕としてはもっとウェットな感じがあるといいと思う。具体的には、低速域でしっとりとした乗り心地や、回転数を問わず耳に心地好いエンジンの咆哮、それに操作系の繊細な手応え。そういったものが前面に出てくれば、Z34はワインディングを攻めていなくても、つまりゆっくり走っていてもクルマとの対話を愉しめる、僕がいうところの「低速官能」に満ちたスポーツカーになるのではないか。モデルによってはケイマンS、あるいはGT-Rの半分以下のプライスで今の走りを実現しているのだから、よくやったと賞賛することもできる。しかし、ドライビングの基本項目を高いレベルで実現している上に、スタイリングにも魅力のあるZ34だけに、もう一歩、頑張って欲しいと思う。
開発担当者諸氏、どうか誤解のないよう。これは僕からの愛のムチなのだから・・・。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
アルファ ロメオ流儀の走りにこだわる限定仕様「INTENSA」をスポーツセダンとSUVに設定
角田裕毅、マックスのためのバトルで“不可解な罰”。区切りの年を振り返り「不運のなかで全力を尽くし能力を示した」
軽に頼るホンダ、軽で稼ぐスズキ! 「世界販売ランキング逆転」が浮き彫りに――分散戦略の脆さと集中戦略の威力とは
新車“約52万円”で“3人乗れる”! “丸目2灯”の「超“便利モデル”」がスゴイ! 全長2.2mの「小さいボディ」に“4速MT”搭載の「APトライク」とは
ロシア軍の戦闘機に「ドローン直撃」 一直線に突入する瞬間を捉えた映像をウクライナが公開
「レーサー直系ならでは」新時代の到来を主張したナナハンキラーに込められた技術とは【1980~1982】
北海道や沖縄にも“7000マイル”で行けちゃうって!? 4つの候補地から行き先が決まるミステリーツアー JAL「どこかにマイル」をどう使いこなす? 注意すべき点とは
カチコチのフロントガラスにサヨウナラ! アレをするだけでガラスの凍りつきが抑えられるの?
トヨタ“新型”「ハイエース」!? 全長4.7m級「4ナンバーサイズ」&超「広びろ内装」採用! 「ガソリンエンジン搭載」もアリ! 20年超え“全面刷新”な「ハイエースC」とは
ホンダ「リーダー」(1983年)【80年代に登場したホンダのバイク図鑑】
「昔からの仲間だし……」 なぜ運送会社は不正を通報できないのか? 白ナンバー不正や低運賃ダンピング、仲間意識が阻む業界浄化の現実とは
角田裕毅、F1”最終戦”は14位……ペナルティ受け入賞ならず「ポイント獲得の可能性があったのに残念。でも、これで”さよなら”じゃない」
レクサス版「GR86」構想は本当にあるのか? 棚上げ状態から再始動の声が聞こえてきた背景
【いまさら聞けない】認定中古車のメリット・デメリット。購入者が主張する“意外な盲点”とは…どんな人に向いている?
290万円の「デリカミニ」登場で“価格天井”が崩壊。なぜ軽自動車の“高価格化”が止まらないのか
22万kmでも海外オークションで400万円超えた三菱「パジェロ エボ」。もし左ハンドルがあったらもっと高値になってたかも?
【知らなきゃ損】実は“革シート=動物が可哀想”じゃなかった。専門家が語るレザーの真実と、捨てられる牛皮“45%”の衝撃的現実
「クロスビー」が“実質フルモデルチェンジ”で昨対比269.8%と大復活。コンパクトSUVの王者「ライズ」を脅かす存在に!?
「N-ONE」一部改良。販売店には6MTの「RS」と「特別仕様車」に問い合わせ集中…「やっぱりMT車は運転が楽しい」の声も
【やっぱり大人気】長らく買えなかったガソリン仕様「RX350」が受注再開。購入者からは「コスパ最強」の呼び声も
【コメント欄で激論】「500万超えは厳しい」「アルファード買ったほうがいい」…「オデッセイ」一部改良に関する記事が話題
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!